ドン・キホーテとラ・マンチャ地方。
400年以上前にスペインで出版され、今なお世界最高の小説と言われる『ドン・キホーテ』。
その驚異的な人気から、よく「聖書の次に読まれている本」という風に表現されます。
作者であるミゲル・デ・セルバンテスは、マドリード近郊の町アルカラ・デ・エナーレスで生まれました。
今回は、『ドン・キホーテ』のモデルとなった風景を探してきました。
ー ドン・キホーテと風車
『ドン・キホーテ』は、騎士道物語を読みすぎて自分を騎士だと思い込んだ一人の男が、「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」と名乗り、冒険の旅に出ると言う物語。
やせ馬のロシナンテに乗ったドン・キホーテが、元農夫のサンチョ・パンサを従えて世の中の不正を正そうと各地でトラブルを巻き起こしていきます。
その中に、ドン・キホーテが巨大な風車を巨人と勘違いして戦いを挑むシーンがあるのですが、それはラ・マンチャ地方の町カンポ・デ・クリプターナが舞台だと言われています。
ー カンポ・デ・クリプターナ
ラ・マンチャ地方には16世紀中頃から風車が設置され始め、製粉などに使われていました。
カンポ・デ・クリプターナは、唯一マドリードから電車で行くことができる風車の町で、『ドン・キホーテ』が書かれた時代には約34基の風車があったと言われています。
世界最高の小説のモデルとされているだけあって、多くの観光客が訪れているそうです。特に日本では『地球の歩き方』で紹介されているため、日本人の観光客がかなり多いんだとか。笑
ー ドン・キホーテゆかりの地
マドリードから電車で約2時間。
駅を出ると、見た目は普通の町という感じでしたが、所々にドン・キホーテをモチーフにした看板があります。
市街地の中には、セルバンテスの銅像もありました。
風車を目指して丘を登っていくと、景色が一変。白と青のコントラストが素敵な街並みが現れます。
ドン・キホーテの愛馬の名前が付けられた「ロシナンテ通り」など、歩いているだけで楽しかったです。
ー ラ・マンチャ地方
アラビア語で「乾いた土地」を意味する〝マンチャ〟に由来するラ・マンチャ地方ですが、風車の周辺はかなり観光地化されており、乗用車や大型バスがひっきりなしに訪れていました。
風車は現在、観光用に修復された10基が残るのみで、ガイドを申し込めば内部を見学することもできます。
乾いた大地に堂々と立つ巨大な風車と、広々とした空とのコントラストはとても美しいので、皆さんもぜひ訪れてみてください!