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「ひとり時間を楽しむ。エアカラのすすめ」

■ひとり時間の楽しみを考える

元気があればなんでもできる!燃えるアラフォー・オーキです。
今月も風の吹くまま気の向くまま、おもに歌謡曲のことなど音楽雑談をお届けします!

5月に入り、いよいよ大相撲の五月場所が始まりますね。
いきなり相撲の話するの?と不安を感じ始めたそこのあなた、安心してください。
お笑いだったらつかみは肝心!と言いますし、出たとこ勝負で心のまわしを掴みに行きたいと思います。ゲッツ!!

今年も連休中からステイホームが叫ばれる中、ひとり時間を充実させる楽しみを考えてみました。

先月もこのnoteで音楽雑談をするといいながら、大関に復帰した照ノ富士のことを熱量たっぷり書いてしまったのですが、私にとって「大相撲中継」はひとり時間の楽しみになっています。

その大相撲中継を見ていたときのことなのですが、実況アナウンサーが発した「二人とも元気に2連勝中です!」というコメントに、なぜかほっこりしてしまったのです。

よくよく聞いてみると、「元気に2連勝中」の「元気に」って…ちょっと何を言ってるのか分からないですよね。心の中のサンドウィッチマンの富澤さんも、黙ってはいません。

ついほっこりしてしまった原因が何なのか!? あえてひとり時間に深堀りをしてみたら
「元気」に隠れた法則をみつけました!

それは、言葉のアタマに「元気」を付けるだけで、詳しく説明しなくても受け手が意味を補完できる、無双状態が自然と作られてしまうのです!さらに、言葉に勢いを出してくれる効果もあります。試しに、目についたものから「元気」をつけてみたところ…

「元気にティッシュを取る」「元気に醤油をかける」「元気にマスクをつける」

おおっ…どんな言葉が続いても、言葉の勢いが衰えません!
まさに「元気があればなんでもできる!」猪木イズムで会話の無双状態を体験してみませんか。いかがですか、奥様ー‼ 

というわけで、今回はひとり時間の楽しみをテーマに、音楽さえあればいつでもどこでも楽しめる「エア・カラオケ」をしてみたい曲を紹介したいと思います。

■アラフォーの楽しみは、夜ひらく。

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皆さんは、夜のお楽しみってありますか?

ステイホームが叫ばれる中で、お家で過ごす時間が増えていると思いますが
何をしているときが、自分らしく楽しめていますか?

私は子供が寝静まった後、ビールを片手にマキタスポーツさんと音楽評論家のスージー鈴木さんが歌謡曲や懐かしい洋楽を紹介する「カセットテープミュージック」を見るのが、夜のお楽しみだったりします。

聴くだけでワクワクしてくる、大瀧詠一さんの「君は天然色」のオープニングから始まり、毎回おじさん二人がテーマに沿って、コード進行やアレンジのことまでマニアックかつ面白く解説してくれるので、音楽好きのOverアラフォーにとっては、オアシスみたいな番組です。

そこで仕入れた歌謡曲の中から、昼メロのようなドラマティックすぎる曲で「エアカラ」したいと思います!

推奨環境は、音源にイヤフォンをして歌の世界に浸りきる!だけです。
周りに人がいる場合は「マスク着用」のスタイルがおすすめです。

歌に自信がないという方も、口パクなのでご安心ください。出来る限り歌手になりきってお楽しみ下さい♪

■大人の失恋を「たそがれマイ・ラブ」で追体験

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その昔、古着のアディダスジャージを着てレコードショップめぐりをする、霞を食ってるような若者だった私も、20年という時間が過ぎと…扶養家族もいるわ、35年のローンはあるわで、趣味かな?というぐらい責任を背負っていたりして、ずいぶん大人になったもんだと思うわけです。

しかし、大橋純子さんが歌う「たそがれマイ・ラブ(1978年)」を聴いたら、まだまだ私なんざ尻が青いなとおもう、昼メロに出てきそうな大人の女を感じる歌です。

♪たそがれマイ・ラブ (1978年/大橋純子)

これから起こる不穏なドラマを予感させる、マイナー調のイントロに、歌唱力が試される歌い出し、阿久悠さんが描く女の心情、そのすべてがやけにドラマティックに誇張されているところなどいかにも昭和の歌謡曲みたいで、歌いこなしてみたい曲です。

作詞は阿久悠、作曲は筒美京平という黄金コンビの作品らしく、一聴すると曲はキャッチーなのに、歌いはじめるとこれは一筋縄ではいかない「かなわないソング」であるのがわかります。

しかし、大橋純子さんの艶やかな美声と歌唱力をかりて、エアカラすると…
なんてことでしょう!阿久悠の世界に入り込み、恋に翻弄される女性として生きることが出来てしまうじゃあ~りませんか!(R.I.P.チャーリー浜)

さらに、作詞家・阿久悠の発明といってもいい、注目のフレーズがあるんです。
恋人に別れを告げられた女性の「衝撃度」を、言葉で数値化が出来ることを知らしめた、阿久悠印と言っても過言ではない名フレーズが登場します。筒美京平のメロディーともに、曲のクライマックスを盛り上げていきます。

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痺れた指 すべり落ちた珈琲カップ 砕け散って
私はただあなたの目を
言葉もなく見つめるだけ

(たそがれマイ・ラブ/作詞:阿久悠/作曲:筒美京平)

まるで映画の4DXみたいじゃないですか?
「♪痺れた指~すべり落ちた 珈琲カップ砕け散って」ここのフレーズ、
リスナーの「視覚」と「聴覚」だけでなく「触覚」も同時に刺激をしています。
五感をフル稼働してワンシーンを描くことで、曲に立体感が生まれて仮想空間をつくりだす、VRフレーズといってもいいんじゃないでしょうか。VRの先駆けですよ、奥様~!!

もちろん、この仮想空間をつくり出しているのは、歌詞だけではありません。
筒美京平さんによるマイナー調のメロディーが、リスナーに失恋した女の不安定な心情をフィットさせていく役割をしています。

暗雲が立ち込めてるような不穏なイントロから始まり、メロウに転調を繰り返すことで、
恋の痛手に翻弄される女性の不安定さとリンクしながら、サビの「♪痺れた指~」で情念を一気にスパークさせる、ジェットコースターのようにサビを最高に盛り上げる、ドラマティックな歌謡曲だとおもいます。

夜のお楽しみに、大橋純子さんの歌にあわせて「♪痺れた指~」のところで失恋の衝撃を、追体験してください。

■女々しくての真逆を狙う「男たちのメロディー」

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大橋純子さんとドラマティックに歌い上げた後は、気分をかえて軽快なメロディーに、やたら男くさい歌詞が絶妙バランスで乗っているShogunの「男たちのメロディー(1979)」で、もっとエアカラの高みを目指してみたいと思います。

カラオケで盛り上がる曲といえば、ゴールデンボンバーの「女々しくて」とかも人気だと思いますが、あえて「エアカラ」は真逆を攻めて、男臭さが極まっている歌で勝負したいと思います!

♪男たちのメロディー (ライブVer.) / Shogun

この曲も「たそがれマイ・ラブ」と同じく歌い出しから妙な感じがしませんか?
軽快でスタイリッシュなイントロから一転、歌い出しからようすがちょっと違ってきます。

「♪走り出したら~」と歌い出した途端、キャラ変が起こり、吉幾三にトランスフォームしていきます。

グルーヴ感のあるカッコいいアレンジと、いなたい歌の混在ぐあいがちょうどいい塩梅にとなっており、とくに英語詞パートのグルーヴィーな感じとのギャップ差にヤラれます。

ひとつの見せ場になる、この曲の英語パートは、持てる全てのグルーヴ感を全開に口パクをやりきって、Shogn感をワンアップさせていきましょう!

インタビューで語られていたのは、もともとオリジナルはカントリー調の曲だったらしく、ボーカルの芳野藤丸さんが、どうしてもカントリーが嫌で、都会風なアレンジを入れたそうです。最初は歌うのも嫌だったと言い、レコーディングで投げやりに歌ったテイクが、逆に曲の雰囲気にハマってしまい、50万枚を超えるヒットソングになったんだそうです。

投げやりなレコーディングといえば、クレイジーキャッツの「スーダラ節」も植木等さんが、ほとんど投げやりに歌ったテイクが「一番面白い」と採用され、大ヒットとなったというエピソードもあります。どちらも歌った本人が一番ヒットして驚いたんじゃないかと思います。

♪スーダラ節(1961年 / クレイジーキャッツ)

それぞれのエピソードを踏まえて、投げやりな感じで
ここのフレーズを口パクしてみましょう。


男だったら
流れ弾のひとつやふたつ
胸にいつでもささっている
(男たちのメロディー/作詞:喜多條忠/作曲:ケシー・ランキン)

確かに!投げやりな感じで行くのがちょうどいいフレーズですね。
ここのフレーズと、もう1か所「♪運が悪けりゃ死ぬだけさ」という部分を
歌いたくて、この曲を選んだといってもいいくらいに大好きなフレーズです。

だって、いつでも胸には刺さっているんですよ!
流れ弾なんて気にせず、そのままホールド・オンしてればいいんですよ!

聴いたときは、目からウロコが落ちましたね。
もはやこの男性に何があったのかを聞くのも、野暮なことかもしれません。

人知れず悩んでいたり、胸の古傷がうずく、そんなOver アラフォーの共感を呼ぶ1曲ではないでしょうか。

心配事や不安を感じるときは、 試しにShogunをエアカラしてみてください。
不思議と「これでいいのだ!」と気にならなくなるはずです。
リラックスして投げやりな感じを出しながら、エアカラしてみてください!

■「瞳を閉じて」でマインドフルネスを試みる!

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先日テレビをみていたら、長引くコロナ自粛による不調のケアとして「マインドフルネス(瞑想)」の特集をしていて、雑念まみれの私でも簡単に瞑想状態ができる、タオルを触る方法が紹介されていました。

やり方は、タオルをいつもより丁寧に畳んでみたり、手でなでたりしながら「触っている手の感触に集中する」という手軽さで、瞑想中にも今に意識を集中しやすくなるんだそうです。

ということはタオルじゃなくても、意識が集中でれば「エアカラ」するのもマインドフルネスと同じ状態になるのでは!?…と思ったわけです。

カラオケの人気曲ランキングを見ると、マインドフルネス向きのタイトルを見つけました!
世代を超えて愛される、平井堅さんの名曲「瞳をとじて(2004年)」です。

平井堅さんは柔らかな歌声に、きれいな高音で歌うイメージがありますが、
J-POPのアーティストの中でも、珍しい発声法を使いながらあの歌声を出しているそうです。耳に触れる歌声に集中しながら聴いてみて下さい!

♪瞳をとじて(2004年 / 平井堅)

私はイヤフォンを装着した状態で、「瞳をとじて」マインドフルネスを試みてみました。
曲が流れてくると、あのサビを歌うのが待ち遠しくて、平井堅さんの歌声に焦らされながらサビ待ちをします。

マスクで顔の半分もかくれるため、歌いはじめの表情は抑え気味にして1サビ前の見せ場「ユア・ラブ・フォーエバー(you love forever)では目をがっつり閉じて、両耳を歌声に集中させます。

すると…普通に聴いたときは意識できなかった、ブレスの息づかいまでしっかり入ってくるではありませんか!曲のアクセントのように入ってくるブレスタイミングに、あわせて自分の呼吸に集中していくと、自然とマインドフルネスができています。

あと、平井堅さんのバラードがより切なく感じる、かすかに声を震わせるような歌い方は声帯を閉じて声を出す「エッジボイス」というそうです。

これが出来るようになると、歌にぐっと雰囲気もでて歌がうまく聴こえるそうです。
平井堅さんの歌声をトレースするイメージで、心の中でユニゾンしてみると…
口パクですが、めちゃくちゃ歌がうまくなった錯覚が起こります。

平井堅さんの柔らかな歌声に全身をゆだね「瞳をとじて」マインドフルネス状態をあじわってみてください。きっと心身ともにととのう感じがするのがわかるはずです!

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今回は、ひとり時間の楽しみ方として「エアカラ」してみたい曲を紹介しました。
また来月も、歌謡曲を更新していきたいと思います。ゲッツ‼

5/12に10枚目のオリジナルアルバム「あなたになりたかった」と、MUSIC VIDEO集「Ken Hirai Films Vol.15」をリリースする平井堅の特別番組。新作についてじっくりと話を伺うインタビューはもちろん、発売記念企画としてアルバムのタイトルにちなみ平井堅自身が「あなたになりたかった!」ゲスト、料理研究家の平野レミさんを迎え「お酒が進む絶品おつまみ」を一緒に料理していく。

■出演:平井堅
■ゲスト:平野レミ

初回放送 5/15(土)21:00~22:00
リピート 5/29(土)19:00~

Information
【関連番組】
平井堅 MUSIC VIDEO SPECIAL
放送日時:5/15(土)19:00~21:00
平井堅 LIVE SELECTION
放送日時:5/15(土)22:00~23:00


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