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MARS ICE HOUSE

皆さん、こんにちは!

今回の記事では、12月14日に開催される「Think Space Habitat vol.2 宇宙建築×スポーツ」に先立ち、火星基地設計コンテストの優勝作品である『MARS ICE HOUSE』について紹介していきたいと思います。
※12/14開催のイベントお申し込みはこちら↓
https://docs.google.com/forms/d/17eaczv3STNoQpojkQ-cTkMHag7-oGVU9tQqT_16Hmh8/edit

皆さんは2015年9月にNASAが主催した火星基地設計コンテストで、日本人建築家である曽野正之さんのチームが設計した作品が、優勝作品として選ばれたことをご存知でしょうか?
その作品が今回のタイトルにもなっている『MARS ICE HOUSE』です。

『MARS ICE HOUSE』という名前からも想像されるように、この作品は3Dプリンタを用いて形作られる氷を建築材料とした、火星ならではの斬新な住宅です。 このMARS ICE HOUSEは、建築材料に氷を用いている事と、独特の曲線美を持った建築であるという事が大きな特徴となっています。

宇宙建築を考えていくにあたり、まず最初に解決しなければならない重要な問題が「建物を何を使って建てるか」という事です。地球から宇宙に資源を持っていく為には、巨額の資金が必要となります。その為、地球から建物の材料を月や火星に持ち込むという案は現状難しいと考えられていて、建物を建てる場所で材料を現地調達するという考えが主流となっています。

そこで曽野正之さんらが採用した建築材料が氷です。これは火星の平均外気温がマイナス40度以下になるからこそ用いることができる、地球ではなかなか考え難い建築材料です。水であれば火星に存在するので現地調達が可能ですし、氷はわずか5cmの厚さで宇宙放射線を安全なレベルまで引き下げ、紫外線と太陽光どちらものガンマ線から人間を守ることができます。また外壁が氷であることで、太陽光を内部にまで届けられるので長期滞在するクルーの健康管理にも役立つとされています。

この建築のおおまかな施工の流れとしては、
 ➀地下の氷を掘削
 ➁溶解させて水にする  ←ここで強度を上げる添加剤を注入
 ➂液体のまま造形し、再凍結させる

つまり、これらの作業を行える機械を火星に送りさえすれば、最小限の費用で宇宙飛行士が作業する事なく建物を建てることができるのです。
(今のところ、氷を採掘し水にするロボットと3Dプリントするロボットの2種類が必要と考えられているようです。)

またもう一つの特徴である独特の曲線美については、火星にある限られた材料で建築しなければならないことが深く関わっているようです。
建築物において広い空間を設けるには、一般的に多くの材料が必要となります。そのため火星にある限られた材料で作る今回の建築では、広い空間を確保することが難しいのです。そこで建物の中の角を無くすことで、広がりのある空間という印象を生活する人に与える事を目的として、建物に曲線が取り入れられています。


こうしてMARS ICE HOUSEのことを知っていくと、火星という環境で人が住む未来もそう遠くはないのではと思い、ワクワクしてきますよね!

今回は火星で人が暮らす為の住宅案の一つである、MARS ICE HOUSEについて紹介させていただきました。最後までお読み頂き、ありがとうございます。
疑問に思ったことや、こういう話題について聞きたい、紹介して欲しいなどがあれば、是非コメントでお知らせ下さい。


12月14日に開催される「Think Space Habitat vol.2 宇宙建築×スポーツ」にも是非ご参加ください!ではまた、次回の記事をお楽しみに!

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http://www.marsicehouse.com/habitat/v3avu8b0chfv5kk5z4ga7503esl1l4 

 参考記事
http://www.marsicehouse.com/
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1705/11/news069.html
https://idarts.co.jp/3dp/mars-ice-house/

文責・編集:穂積

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