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インフレータブル構造って?

皆さん、こんばんは!

今回の記事では、3月24日に開催される
Think Space Habitat vol.4『はじめての宇宙建築』に先立ち
インフレータブル構造について紹介していきたいと思います。

※ 3/24開催のイベントお申し込みはこちら↓
https://drive.google.com/open?id=1VovlJW-36UlxmSAgp3TUdr8jzGskaPtG-3X_i0otr_E

1.インフレータブル構造とは

早速ですが、下図の構造物はなんだと思いますか?

credit : NASA

実はこれはエコー衛星と呼ばれる電波放射体です。
人の大きさからも分かるように、直径は33mもあります。

え、ちょっと待ってよ・・・
こんなに大きな構造物どうやって宇宙に運ぶの?

誰しもこう思うかもしれません。
こういった大きな構造物を宇宙に運ぶためには、小さく折りたたんでロケットに載せる展開構造物という構造が用いられます。
この展開をガスの力で行う構造様式のことをインフレータブル構造と呼ばれています。
要するに風船のような構造物です。

上図のエコー衛星もインフレータブル構造で出来ていて、収納時は直径0.66mまで小さくなります。
なんと、直径約50分の1、体積で約12万5千分の1という大きさまで小さくできています!

こうすることで、宇宙に大きな構造物を運ぶことができるんです!

2.メリット・デメリット

インフレータブル構造のメリットは
・軽量:ロケットの打ち上げで最も重要な指標
・高収納性:小さく折りたため、ロケットのフェアリングの隙間に載せれる
・機構の少なさ:展開するのにモーターや接合部などが必要ない

しかし、問題点もいくつかあります。
それは、展開途中の挙動が複雑であることや、長期的な空気維持などです。
空気維持に関しては展開後に硬化させる研究などが多くされています。

また、基本的な形状は球形や円柱形に制約されてしまうというデメリットもあります。

3.応用例

NASAでは1960年代後半からインフレータブル構造の研究がされていて、多くの応用先が存在します。

a.インフレータブルアンテナ
最初のエコー衛星や、集光器などが当てはまります。

b.ローバーのエアバック、ホイール
ソジャーナ、スピリット、オポチュニティなどで利用されました。
衝撃に耐えられるよう、高強度繊維を使った織物と樹脂フィルムを積層して気密性を持たせたものを利用していました。

c.インフレータブルチューブによる展開
インフレータブル構造をアクチュエーターとして利用したものです。
ソーラーセイル、サンシェード、太陽電池アレーや平面アンテナなどの様々な応用先があります。
しかし、大型になると姿勢制御などが大切になってきます。そこが柔軟な構造物では難しい場合があります。(特にアンテナは精度が大切)

d.火星飛行機のウィング
飛行機のウィングでは平板に近く、しかもなめらかな形状が求められてきます。球形状や円筒形状では膜応力が均一になりますが、この形状ではそうはいきません。

そこで、
・面外方向の変形を拘束するフィルムを多数配置したもの
・スポンジ状の多孔質の部材の内部を充填した自動膨張式のエアマットなどで使われているもの
・複数のインフレータブルチューブを並置して、全体形状をほぼ平面に近づけたもの
などの方法を用いて、軽くて収納効率の高い火星飛行機を作ろうとしている研究もあります。

e.住居
ここにきてついに宇宙建築の登場です!
人が生活するためには、内部気圧を1気圧に保つ必要があり、通常の数十倍から百倍を超えるような応力が働きます。
また、スペースデブリやマイクロメテオロイドなどへの対策として、金属を使った層や高強度繊維の層などを積層した多層構造にする必要があり、厚さが40㎝を超えたりして、複雑な折り畳みはできなくなります。

これに対して、月や火星の場合はレゴリスを膜の上にかぶせることで、差圧を減じる方法もある。

今日の最初の画像はBigelow Expandable Activity Module(BEAM)といわれるBigelow社が開発したインフレータブル構造物です。
宇宙ホテルを運営することを目指していて、今現在はISSに接続し、放射線環境やマイクロメテオロイド、熱等において実験中です。

4.終わりに

近年の宇宙開発では、大型の宇宙構造物が求められていてその実現方法として本日はインフレータブル構造を紹介しました。
実際に宇宙建築への応用も考えられていて、要注目の技術です。
ぜひ興味を持った方は、これを機会に調べてみてください。

《 参考文献 》
・未来を拓く宇宙展開構造物
Bigelow Aerospace

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第4回目となるThink Space Habitatは
『はじめての宇宙建築』をテーマに
3月24日 日曜日 13:00〜16:00(12:45 開場)
場所はX-NIHONBASHI(東京都中央区日本橋室町1丁目5番3号 福島ビル7階)にて行われます。

皆様のご参加を心よりお待ちしております!
↓Think Space Habitat vol.4 のイベント申し込みフォームはこちら↓
https://drive.google.com/open?id=1VovlJW-36UlxmSAgp3TUdr8jzGskaPtG-3X_i0otr_E

【 今後開催・参加予定のイベント 】
3/24:Think Space Habitat vol.4『はじめての宇宙建築』( 東京 日本橋 )
→ 詳しくは https://note.mu/spacearchi/n/nf4a32899d6eb

3/30:宇宙系サークル合同新歓2019 ( 東京 渋谷 )

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