アイソレーションタンク初体験記
前の記事でアイソレーションタンクの概要について書いたので、今回は実際に僕が初めて体験した時の話をしようと思います。
アイソレーションタンクに初めて入ったのは、予約メールを見ると2020年9月12日の朝10時〜と書いていました。前の記事でも書きましたが、もっと前に体験したような気がするんですよね。恐らくここ数年は、色々な出来事や経験が多くて一年を長く感じているんでしょう。あっという間に時間が過ぎていくことがないというのは、幸せなことな気がします。
初体験の時の僕について
カレンダーを見返していて思い出したのですが、2020年はCOVID-19の感染で世界がパニックになった年ですね。
名古屋在住、SEとして愛知県で大きな会社に派遣されて行っていました。給料はとても良かったですが、面白い仕事とは思えていなかったのでストレスは多めだった記憶。
クラヴマガという、イスラエルの軍隊格闘を確かその年の頭頃から始めていて、週末は肉体をしっかりヘトヘトに使い果たすという習慣ができていました。クラヴマガに1年間通った経験は、その後の仕事や遊びを行う上での基礎体力作りとして、今でもかなり役にたっています。
娘がまだ乳児だったので、遊びに出かけることは今ほど多くなく、たまにライブハウスや音楽イベント、実家がある大阪に帰って友達と遊ぶくらいの感じだったと思います。
今と異なるという点では、この時期は遊びに行くときや、家でたまにアルコールを飲む習慣があったと言うこと。去年(2022年)に出会ったソバキュリアンという、シラフでいることの面白さを探究するという概念に出会ってからは、飲む頻度が以前のの9割以下に落ちました。
その他の特記事項としては、2017年にインドに行ってヨガインストラクター(RYT200)を取得したり、帰国後ヴィパッサナー瞑想という、原始仏教の瞑想法を行う10日間の合宿に参加したりなど、心身の訓練は多少積んでいる状況だったかなということですね。
当日到着するまで
そんなこんなの3年前の安井がアイソレーションタンクに行ったのは、ちょうど東京に行ったタイミング。神奈川の川崎で行われる音楽イベントに合わせて、関東に行ったんです。
新幹線か夜行バスかは忘れましたが、朝東京に着いた後、大塚まで移動して、近くで歩いていたら、バングラデシュ料理のお店を発見。モーニングもやっているということだったので、バングラデッシュモーニングのパラタセットというものを食べました。けっこう美味しかった記憶。
その後アイソレーションタンクに入るのに、食事もしてコーヒーも飲んでと、今なら事前セッティングとして取らないであろう行動をしているのが面白いなと今思いました。
店を出て、アイソレーションタンク施設に歩いていくと広めの公園があったので時間をそこでちょっと潰して、店舗に到着しました。
到着後、体験するまで
途中寄り道をしたのですが、実際には大塚から徒歩10分くらいにあるのが、その時利用させてもらった『Sel Flotte』。
マンションの一室にあるので、エントランスでインターホンを押して入るスタイルです。ちょっとドキドキした気がします。
エレベーターを降りて、部屋に到着すると出迎えてくれたのが白い感じの上下の服に身をつつんだ店主。インドとかで似たような服を着て一ヶ月過ごしていたので慣れていましたが、そういう経験ないと結構ビビってしまいそうだな。
雰囲気は柔らかく落ち着いた話し方をされる方で、アイソレーションタンク施設をやってそうだなと感じました。
まずは初回利用の説明を受けます。タンク利用前のシャワーの浴び方、タンクの使い方や注意事項など。
準備ができたところで、別室にあるシャワールームでシャワーを浴びます。ゆっくりと丁寧に全身を洗い、隣室の部屋に。
6畳ほどの暗い部屋に置かれたアイソレーションタンクを見て、ついに憧れていたアイソレーションタンクに入れるのかと、ワクワクが止まりません。
『Sel Flotte』に設置されているのは、『Samadhi Tank』という種類のタンク。
事前に説明を受けていた通り、タンク横に置かれた使い捨ての耳栓をつけて、蓋を開けます。湿度の高い、ムワッとした空気が出てきました。教えてもらった通りに、片足からゆっくりとお湯に浸していきます。高濃度のバスソルトが入っているためか、ヌルっとした感じのお湯です。体温と同じに設定されているので、お風呂ともプールとも違う不思議な感覚。
タンクの中で
予め聞いていた方法でゆっくりと全身を沈め、目を瞑りながら身体の位置や腕の位置を整えていきます。
身体がピタッと止まるまで、左右や上下に意図せず動いてしまうので、タンクの壁にぶつかって、またちょっと手や足で押し戻して中央にポジショニング、みたいなのを何度か行った記憶があります。
手の位置も、体側に置く感じだと少し沈む感じがあり、しっくり来ないので肘を曲げた状態でバンザイポーズに調整して落ち着いたと思います。
体勢が整った後、身体の感覚や意識の流れに意識を向けながら時間を過ごしました。モーニングを食べたので、胃にたまるものが気になった気がします。コーヒーも飲んでいたので、意識がふわふわとしたりはしただろうけど、寝落ちはしなかったと思います。
途中、汗を拭おうとしてだったか、タンクの溶液が目に入って「痛っ〜!!!」っとなり、漂っていた意識がシャキっとしてしまった記憶は結構鮮明に覚えています。そうなんです、高濃度のエプソムソルトは、目に入るとものすごく痛いのです。
タンクに入っているとわかりやすく感じるのが、脚全体への血の流れが増加してパンパンになること。東京に行くときは歩く距離が普段より増えるからというのもあるんでしょうが、普段布団で寝ている時には感じたことのない血流の変化でとても面白かったです。血流が良くなるということは、きっと疲労回復効果がすごいんではないでしょうか。
タンク体験としてよく言われる通り、重力がないような状態になるので、普通の瞑想に比べて、身体の感覚が薄れて「意識」だけになるような感覚が強いです。瞑想やったことある人ならわかると思いますが、身体が整っていないと、数十分座っているとお尻だったり組んでいる足が痛くなってきたりするんですよね。それが起こらないんです。
意識は寝ているような、寝ていないような状態が緩やかな波のように変化して、体験したことのない感覚でした。布団と違って、寝落ちしきらない感じ。
体験後
タンクの体験としては、出た後のほうが驚きました。
まず、時間の終わりはおだやかな音楽がうっすら聴こえてきて知らせてもらうシステムになってます。ゆっくりと水中で起き上がってタンクから出る、という流れなんですが、起き上がる時に背骨から「ボキボキボキッ」と、聴いたことのない音が聴こえてきてとても驚きました。
そして、お湯から上がる際には「重力〜!!」ってなるくらいに、身体が重たく感じるんです。プールから出るときと似たような感覚ですが、60分身体を動かしていない状態からなので、重力の感じ方の強さがぜんぜん違います。
とてつもない重力を感じながらシャワーを浴びて服を着て、リビングに戻り店主とどんな感じだったか話すんですが、ものすごく身体全体が重たく感じました。不快な感じは一切ないんですが、プールでたっぷり泳いだ後のような、心地よい全身の倦怠感。運動だと交感神経がしばらくは優位になるので頭は冴えてたりするんですが、タンクだと運動したわけでもないのでただただ頭と身体が重たくなる感じです。
出してもらった水を飲みながら色々お話してましたが、このまま数時間は部屋でゆっくりさせてもらいたいなと思う感じでした。日頃というより、今まで溜まっていた疲れが全部出てきたような、不思議な体験でした。
あとがき
この記事を書きながら、最近入ってないのでそろそろ入りたいなと思いました。自宅にあったらほんと最高だと思います。頑張って曽爾村に作るので皆さん入りに来てください。
記事のサムネイル画像はAdobe Fireflyで作成しました。文字を入れてどんな感じの文字にしたいかを入力すると、いい感じに作ってくれます。