何も成し遂げられなかった私へ
私の頭の中にはいつも、文字がうようよと泳いでいる。
ニュースやSNSだけでなく、すれ違う人の一言にまで、すぐに影響されてあれこれ考える癖がある。それを誰にもどこにも出さずにいて、ぐつぐつと煮詰まると、膨張して爆発しそうになるので、ちょうどいい頃合いに発散させる必要があると日頃から感じていた。
その作業をこのnoteでやってみようと思う。
うようよと泳ぐ文字をここに整理して並べていくことで、魚拓か、魚屋か、水族館か、何になるかはわからないが、何も成し遂げてこなかった私の、初めて成し遂げた何かになったなら、大成功である。
学生の頃は国語が好きだった。ちょっとした賞をもらったこともある。私は成績の良い子どもではなかったが、国語の時間だけはお行儀よく小さな机に収まっていた。学年が上がるにつれてほとんどの授業はちんぷんかんぷんになっていったけれども、国語の教科書だけは、新しいものが手に入ると、少しだけワクワクした。開けば見たこともない物語との出会いがあるとわかっていたからのように思う。いつも、先へ先へと読んでしまって、先生が時々授業中に投げかける「このあとどうなるか?」の答えを知っていた。
そういえば、ずっと本が好きだった。
毎日をなんとなく過ごしてきたせいで、自分が本を好きなことも、もうすっかり忘れていたけれど。
自転車でどこまでも行けると思っていた10代、私は放課後になると図書館に通った。地元の市立図書館には吹き抜けがあり、騒がしくはないが、絨毯を踏む音やページを捲る音で少しざわついている感じも良かった。大きな窓の前に座って、外の景色を目の端に置きながら、好きな作家の小説を端から順に読んでいくような高校生だった。
今度の休みは少し本を読んで、コーヒーでも飲もう。
今朝は少し肌寒く、毛布を直して二度寝した。しかし、朝の慌ただしい空気が地面に落ちる頃には、窓から見える青空が気持ち良く、心地よい春の光が差し込むまでになった。たったそれだけのことで、noteを書き始めてしまった私は、自分が思っているよりも、単純なのかもしれない。
先づ今日はこれ切り