そる

高校物理の先生が、野球の数字をいろいろ解説します。

そる

高校物理の先生が、野球の数字をいろいろ解説します。

最近の記事

ピッチャーの球は浮き上がるのか(3)

ということで、豪速球でもホームベースに届く頃には1メートル近く落下している計算を前回しました。 では、小学生くらいで計算してみましょう。 小学生のピッチャーで100km/hでてれば、結構速いと思います。 1時間で100キロメートル進む、これを前回同様に変換してみます。 3600秒で100000メートルなので、 100000÷3600=27.77… つまり、1秒で約28メートル進みます。 少年野球のバッテリー間は16メートルなので、 ピッチャーが投げてからホームベースを通過す

    • ピッチャーの球は浮き上がるのか(2)

      前回の(1)では、どんなに速い球でも、ボールは減速しながら、しかも下に落ちながらキャッチャーに向かうと書きました。 ではその計算を実際にしてみます。 公式を知らない、というかもしれませんが、こういうものなので、なぜそんな公式なのかは後で学ぶことにしましょう。 まず、水平方向で考えてみましょう。 ですが、空気の抵抗はとっても複雑で、考えることが難しいです。 計算をするのは至難の業です。 ということで、現代の科学の力を使ったスピードガンの記録を見てみましょう。 投手のリリース直

      • ピッチャーの球は浮き上がるのか(1)

        この世界は物理の法則にしたがって動きます。 絶対の絶対です。例外はありません。 では、 「豪速球はボールが浮き上がってくる」 「ノビのある直球」 これはどう言うことなのか、物理の法則に従って考えてみます。 まず、地球上で、ボールのような物体が投げ出されたら、どのような法則で動くのかをまとめてみます。 物体の動き(運動)は、力によって決まります。 力がはたらくと、その方向に加速します。 たまたま反対側から同じ大きさで押し返されれば、その運動を同じ速さのままずーっと続きます。

        • 野球で学ぶ物理学

          野球をプレーしたり観戦したりすると、必ず数字が出てきます。 よく目にするもので言えば、球速や打率、塁間を何秒で走ったかなどがあげられます。 とにかく出てくる数字が多いのですが、それらの数字が一体何を意味しているのかを理解している人は多くはないように思います。 ノビのあるストレート、キレのある変化球、バットにボールを乗せて飛ばす… これらは一体、どんな現象なのでしょうか。 少しでも野球を理解したい、わかるようになりたいと思えば、物理を勉強することを進めます。 この世は物理の

        ピッチャーの球は浮き上がるのか(3)