銀杏の詩
風がやさしくなって
銀杏がふわり舞う
きみのワンピースの裾が広がる
風と布と枯葉が戯れる音がする
生きるように踊る
踊るように生きる
指先に一粒涙を乗せて
優しく背中を撫でるように
きみが触れた先から秋色に染まった
刺すような光が
羽根のようにやわらかくなる頃
肩に落ちる枯葉がわたしを誘う
身体は軽くどこまでも行ける
歌うように生きる
生きるように歌う
つま先に叶わない祈りを絡め
優しく背中を押されるように
わたしが踏み出したら秋色に染まった
ふたりは、ふたひら
枯れ葉のように
風に舞い 秋空へ溶けた
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秋の詩を書きたくなりました。
銀杏の黄色には、人の心を穏やかに、
けれどちょっぴり元気に
してくれる力があるよね。
枯葉の音はため息をつきたくなるような
唯一無二の音。
同じ樹木についていたのに
時が来たら、色づいて
それぞれのルートをたどって
旅立たなくてはならない銀杏の葉。
きっとまた、縁があれば
重なる日もあるでしょう。
それまで、わたしのために、
あなたのために。
自然の摂理に任せて。