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高専・専攻科→大学院→就職して感じたこと

2023年に九工大・大学院生命体工学研究科の修士を修了して、現在は大手不動産情報会社でシステム開発やデータ分析を行っているOBに、高専生、専攻科生の立場から、話を伺いました。彼も、高専の専攻科から大学院に入学しましたので、同じような立場の人に参考になるかもしれません。

Q: 大学院に進学するかどうか悩んでいます。進学して後悔はありませんか?

A: 進学して本当に良かったです。
進学して良かったと思っています。特に「論文が読めるようになったこと」が大きな成果です。最近ではAIなどの新しい技術がどんどん発展していますが、論文を読んで情報を集めることで、他の人よりも早く最新の情報を知ることができるのは強みです。このスキルは将来のキャリアにも役立つと思います。

Q: 高専での研究と大学院での研究はどう違うのですか?不安があります。

A: 大学院では自分で考える力が求められます。
高専では先生から与えられたテーマに沿って研究を進めていましたが、大学院では自分で興味のあるテーマを見つけ、そのテーマについて新しい価値を見つけ出し、実験や実装を重ねて結果を出す必要があります。これには不安もあるかもしれませんが、自分で考えて成果を出したときの達成感はとても大きいです。

Q: 研究中心の生活になると聞いていますが、ちゃんとやっていけるか心配です。

A: 研究中心の生活は大変だけど成長できます。
大学院では研究が生活の中心になりますが、そのプロセスを通じて得られる達成感や成長はとても大きなものでした。先生からの的確で先端分野に関するアドバイスも大きな助けとなりました。最初は不安でも、少しずつ慣れていくことで自分の力を信じられるようになります。

Q: 大学院で初めて体験したことは?

A: 国際学会での経験です。
国際学会を通じて初めて海外に行きました。ドイツに行き、さまざまな国籍の方とビールを飲みながら意見を交換しました。このとき、同行していた研究室のメンバーが先に帰ってしまい、深夜にアパートに戻ったら締め出されて困ってしまいました。幸い、近くの小さなお店が開いていたので、店主と話しながらビールを飲み、誰かが起きるのを待ちました。英語はあまり得意ではありませんでしたが、現地の方々が優しく気を使ってくれて、楽しくコミュニケーションを取ることができました(でも研究室のメンバーが探してくれていたことを後で知りました。すみませんでした!)

Q: 大学院で楽しかったことはありますか?

A: 学会での技術余興セッションで1位を取ったことです。
研究でVRを使っており、その経験を生かして「VRで猫になって人間に遊んでもらうシステム」を開発しました。仮想世界で人間アバターに遊んでもらったり、現実世界で井上先生に遊んでもらったりして、見ている人を楽しませながらも技術的にも妥協しなかった結果、1位を取ることができてとても嬉しかったです。

Q: 生命体工学研究科は他の大学院とどう違うのですか?

A: 多様で国際的な人々が対等に関われる環境です。
生命体工学研究科は、多様なバックグラウンドを持つ人々が対等に交流し、協力し合える環境が整っています。九州工業大学から進学した学生だけでなく、他の大学から来た学生、高専出身の学生、そして各国からの優秀な留学生が在籍しており、全員が同じ立場で意見を出し合いながら研究を進めています。
A: 研究中心のプロジェクトに関わることができます。
大学院のみの構成なので、先生も学生も大規模な研究プロジェクトに積極的に関わることができます。このような環境は成長につながると感じています。

Q: 他の卒業生の進路を教えてください。

A: 卒業生はさまざまな分野で活躍しています。
A君は自動車会社の生産技術部で働いており、B君は基地局のソフトウェア基盤の開発を担当しています。C君はデータセンターネットワークの開発を行っています。皆、大学院での経験を生かして自分のキャリアを築いています。大学院での経験は将来の選択肢を広げる助けになると思います。

Q: 大学院での経験は就職にどう役立ちますか?

A: 自分で問題解決する力が役立っています。
現在はシステム開発と新しいサービスの提案のためのデータ分析を主にやっています。大学院での研究と直接関係はありませんが、生命体工学研究科や井上研究室で学んだことが役立っています。特に、研究室で習ったデータ分析スキルや機械学習の講義、問題解決の道筋の立て方は、今の仕事に直結しています。


以上です。
高専の皆さんの進路の参考になれば幸いです!



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