写真でお届けする、pib book 「PATTERN」「ALONE」仕様紹介
しばらく更新をお休みしていたpib bookのお知らせですが(担当がOFUSEの記事をもりもり書いていたため……)、取り扱い店舗紹介に続き、今回はテレワーク中の編集・野口が自宅撮影した写真を交えてpib bookの仕様をご紹介していきます。
ZINEや同人誌など、個人で本を作ってみようという方にも参考いただけるように、なるべく具体的にご紹介できればと思いますので、よろしければお付き合いください。
pib book(本体)の仕様
まず、pib book(本体)に共通した印刷仕様をご紹介します。仕様とは、表紙や本文、本を構成するすべてのパーツについて「こんな紙・印刷・加工方法で……」と決め、印刷会社に伝えるものです。
pib book 共通仕様
仕上がりサイズ:120×180mm
PUR製本 無線綴じ
ガンダレ表紙(表紙・裏表紙ともに中袖90mm)
表紙:T.OマットN(四六 220kg)フルカラー/特色1C
グロスPP貼り
本文(01〜64P):T.OマットN(四六 160kg) フルカラー/フルカラー
本文(65〜80P):上質紙(四六 110kg) 墨/墨
ポイントの一つは、表紙の折り返し(ガンダレ)です。手軽なボリュームの本にしたいためハードカバーにはせず、代わりに表紙・裏表紙に折り返しをつけることで、表紙にしっかりした厚みと硬さを持たせています。
折り返しを開くと、一冊ごとに異なるカラーを特色で。「PATTERN」の場合は特別に収録作品の柄を敷き詰めました。
しかし並製本だと気になってしまうのが、〈のど(ページの付け根)〉が見えにくくなってしまうこと。pib bookはコンパクトなうえ、イラストページにかなり厚めの紙を使用しているため、余計に開きの影響を受けてしまいます。
思いっきり開きをよくしようと思ったら「糸かがり綴じ」や「合紙綴じ」などの方法がありますが、お値段がカジュアルではなくなってしまう。そこでコストとの兼ね合いも考えて、PUR(反応性ポリウレタン系)という接着剤を使用した製本を採用しました。
製本方法自体はよくある並製本の無線綴じと変わりませんが、PURは一般的な製本糊(EVA=エチレン酢酸ビニル系)よりも接着強度が高く柔軟で頑丈に製本でき、〈のど〉までぐいっと広く開くことができます。
(この下の写真だけは実写ではなくモックアップです。さすがにここまで綺麗に押さえておくことはできませんでした……。)
メインのイラストページでは、絵に集中して楽しんでもらえるようになるべく情報を減らし、作家の方々や作品タイトルは巻末にまとめて収録しました。
イラストページに使用した紙は、マット系のアートポスト紙「T.OマットN」。紙地はきめ細かく、しっとりとしたマットな質感で、インキが乗った部分にはかすかなグロス感。
光沢紙はリッチでよいのですが、イラスト表面にも光が反射しやすく、マットすぎる紙は仕上がりの色が浅く見えてしまったりするため、色再現性や質感とのバランスで選びました。白さがニュートラルで、あまり青みや黄色みに寄っていないのもいいところです。
巻末のモノクロページには、作家の方々のプロフィールと掲載作品のインデックスがまとめられています。このページは気張らずにさらっとした上質紙で。
今後もさまざまなテーマで展開するシリーズのため、特殊な加工やハイコストな素材に頼らず、あまり商業誌的な佇まいでなく(pibチームがアプリ開発をしながらこつこつ作っているので)、それでいて少し特別に思えそうな。そんなニュアンスを本の仕様にも反映してみました。
pib book(外箱)の仕様
そして特別といえば、忘れてはいけない外箱の仕様。薄手のグレーボール紙を組み立てた「糊どめ箱」に、凸版でロゴを押し込んだシンプルな造りになっています。
pib book 外箱仕様
糊どめ箱
内寸:124 × 182 × 高さ25mm
紙:ボード紙 グレー
印刷(上蓋):凸版印刷 1C(墨)
緩衝材:スポンジ 濃グレー
表面の質感が分かるように寄りで撮影してみました。ラフな質感で、素朴な素材感が今っぽいかなと思います。中敷きのスポンジも、加工会社から複数のサンプルを取り寄せて、上品に見える暗めのグレーをセレクトしました。
本は本棚に、外箱はお手紙入れや領収書入れなどに使っていただくのもおすすめです。かくいう筆者も、撮影サンプルの箱をブレスレットやブローチ入れに活用しています。スポンジがあるので金具がカタカタしなくていいんですよね。ぜひお好きに活用してみてください。
pib book第二弾、もうすぐ公開!
さて、今回はpib bookの仕様について詳しくご紹介してきました。
企画編集チームでは目下、pib book第二弾の編集作業を行っております。7月中旬ごろには、テーマや収録作家、イメージビジュアルなどお披露目できそうな予定です。ぜひ楽しみにお待ちくださいませ。
第一弾「PATTERN」「ALONE」のお求めは下のリンクから。また、今夏リリース1周年に向けて続々とアップデートを進めているアプリ「pib」も引き続きよろしくお願いします。