ひとり暮らしの部屋は問う:2023年4月30日時点の意味づけ
2020年4月下旬、北海道。東京行きの飛行機に乗り込む。東京に着いたところで、入学式もなければ、授業もまだはじまらない。移動すること自体が恐れられ、移動する人が疎まれた時期だった。怖いほど空席の並ぶ飛行機。スーツケースを持つ私と母をにらむ視線。それが嫌とは思わなかった。むしろこちらが常識外れだ。心の中で何度も頭を下げながら、人目の当たらないひとり暮らしの部屋を目指した。
大量の家具を設置してくれる配送業者のお兄さんは、小声で挨拶したあとはてきぱきと作業をして、無言で去ってい