手づくりグリーティングカード24:筋目正しくスコアリングボード・その2
前回に引きつづき、スコアリングボードのお話、第2弾です。
ボーンフォルダーとソーイング用へら
前回ボーンフォルダーの代用品についてお話ししましたが、実はもう「ひと品」試したものがあるのです。洋裁箱の中にこれを見つけたときには、密かに(誰も見ているわけではないのですが)ニヤリ。
ソーイング用の「ヘラ」です。
編み針やかぎ針は損傷が怖くて実験する気にはなれなかったわたしですが、こちらは同じ印つけを目的とする道具。布に印がつけられるなら、紙に筋がつけられぬはずはなかろうと。
果たして、結果は「ノー」でした。
ソーイング用のへらの先はとても薄く、筋というより、細く線しかつけられません。紙を折るための筋は「線」ではなく、ある程度の幅と深さのある「溝」であることが理想的です。
餅は餅屋と言いますけれど、ソーイングにはソーイング用のへら、ペーパークラフトにはペーパークラフト用のへらと、それぞれに専用の道具が存在する理由に納得した次第です。
ボーンフォルダーのみで紙を折る
ボーンフォルダ―について、もう少しお話ししましょう。"Bone folder" と、その名が示すとおり、動物の骨で作られたものやプラスチック製のものがあります。
この印つけの道具はスコアリングボードに付属していますが、ボーンフォルダーのみ、単品での購入も可能です。
この小さな道具ひとつあるだけでも、紙の折りやすさや仕上がりはぐんとアップします。スコアリングボードの購入に迷ったり、あるいはスコアリングボードは必要でないと思われるときにも、ボーンフォルダーだけはお勧めしたいです。
ボーンフォルダーのみで紙を折る場合は、
クラフトマット(または厚紙など)を紙の下に敷く
ボーンフォルダーで紙に筋目をつける
紙を折る
折り目をボーンフォルダーでなぞって、折り目を落ち着かせる
この4ステップが基本です。
クラフターの中には「1」と「2」を飛ばして、紙を手で折ってボーンフォルダーで押さえる人や、もしくはもっと大胆に、ボーンフォルダーで紙を折りながらなぞるワンステップ型の人もいます。
どちらも手っ取り早いですが、紙、とくに厚い紙にはちょっと気の毒なやり方です。準備体操もなく、いきなり紙に180℃前屈をさせるようなものですから、紙のほうからは「痛い!」と悲鳴があがっているかもしれません。
折り目部分の紙の繊維が伸ばし、折りやすくするための筋目。このひと手間で、折り目部分へのストレスが和らぎ、紙にやさしく、きれいに折ることができます。
スコアリングボードでできること
スコアリングボードのすばらしさは、何と言っても「折り目つけ」が手早くできること。これに尽きます。
ボードに一定間隔でつけられている溝と目盛りのおかげで、定規で測る必要もなく、好きな場所にひょいひょいと折り目をつけることができます。
紙を何度も折る必要のあるカードをつくるときや、たくさんのカードを用意するときには非常に便利です。
スコアリングボードによく付属している封筒をつくるためのガイドも魅力的です。これを使えば、C6など標準的サイズの封筒から好みの大きさものまで、自分の好きな紙で封筒がつくれます。
わたしのガイドでは、厚みのあるカード用に高さのあるマチつきの封筒もつくれます。
また、ただ「筋をつける」、このためだけにもスコアリングボードはありがたい道具です。
カードの表紙の周辺に筋をつけ、額縁のように囲んだり、メッセージのところに筋をつけたりするのは、わたしの好きな方法です。カードのさりげないアクセントになります。
ただ、それが目ではっきりと見えるぶん、整った筋がほしいところ。ボールペンやエンボッシングスタイラス、紙の下に敷くものもクラフトマットや紙など手を変え品を変え試してみましたが、スコアリングボードでつけた筋がいちばん見栄えがいいです。
スコアリングボードの選び方
スコアリングボードを購入する際のチェックポイントは、3つあります。
まず、サイズ。
ただ1本の筋を入れて折るだけなら、大きなスコアリングボードは必要ないでしょう。わたしのスコアリングボードは縦横33㎝の大判サイズで、ボードの厚み(約1.7㎝)もあり、意外と場所を取ります。
次は目盛り。
センチとインチのふたつの規格があります。わたしは馴染みのあるセンチのものにしましたが、カードはしばしばインチ規格ですので、そちらの目盛りもあればと思うこともあります。
最後に付属品のチェック。
まず大丈夫かとは思いますが、ボーンフォルダーがついているかどうか、そして封筒づくりにも興味があれば、そのガイドが付属しているかいないかなど、スコアリングボードの付属品の確認もしてみてください。
※見出し写真のカードのつくり方は次回アップします。
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