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手づくりグリーティングカード23:筋目正しくスコアリングボード・その1
「スコアリングボード」と聞いて、頭に絵がパッと浮かんだ方はすごい!
サッカーや野球などスポーツの「スコアボード」なら知っているよ、という方はたくさんいらっしゃると思うのですが・・・。
スコアリングボードとは
スコアリングボードを英語で書くと "scoring bard" 。 "score" にはたくさんの意味があります。そのひとつがスポーツの「得点/得点する」ですが、今回のテーマに関連しているのは「筋/筋を刻む」の意味です。
ボードは「台」や「板」。ということで、スコアリングボードは紙に筋目をつけるための台、ペーパークラフトで使われる道具のひとつなのです。
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Score Easy by Vaessen Creative
なぜ筋目をつけるのか?
グリーティングカードはたいてい見開きになっており、カードをハンドメイドするときには紙を折らなくてはいけません。
薄い紙なら簡単に折れますが、カードストックなどの厚い紙となると、そうもたやすくいかないことがあります。
カードストックが何たるものかということについては以下を参考にしていただくとして、厚い紙を折ると、折り目がゆがんだり、折り目の部分の紙が裂けてしまったりするのです。
そんなときに活躍してくれるのがスコアリングボード。これで筋目をつけると、紙は格段に折りやすくなります。
おりがみの「鶴」の折り方を思い出してください。初めから終わりまで何度も折り目をつけますね。折り目をつけるのは、紙を折りやすく、きれいに仕上げるための技。スコアリングボードも同じ目的で使います。
スコアリングボードの使い方とコツ
写真(上・下)のとおり、スコアリングボードにはたくさんの「溝(みぞ)」がついています。この溝にスコアリングボードについているボーンフォルダー(へら)をあて、溝をなぞって筋目をつけます。
使い方はいたって簡単なスコアリングボードですが、きれいな筋目をつけるにはちょっとしたコツがあります。
まず、折り目をつけるときには思い切りよく、ボーンフォルダーにやや力を入れて、紙の上をなぞりましょう。
ボーンフォルダーにかける力が弱いと、筋目が浅く、折り目としての役目をじゅんぶんに果たせません。また、溝からボーンフォルダーがはみ出して、いつの間にかあらぬ場所に筋がついた・・・なんてことにもおこります(経験者は語る)。
そしてスコアリングボードで筋目をつけて、紙を折ったら、ボーンフォルダーで折り目をなぞります。こうすることによって折り目が落ち着き、紙がしっかり折れます。
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無数の「溝」のわけ
スコアリングボードを見て、なぜこんなにたくさんの溝があるのかと思われるかもしれません。
筋目は1度に1本だけしか入れられないので、ひとつ溝があればいいというようなものです。
ただ紙の大きさにより筋目を入れたい溝の位置も変わります。このときにたくさん溝があるおかげで、好きな場所にさっと筋目がつけられるのです。
折り目を何度がつけてつるようなカードにも便利です。スコアリングボードの枠につけられた目盛りのおかげで、紙を動かさず、定規も使わず筋目を入れることができます。
スコアリングボードがないときは?
スコアリングボードはペーパークラフトに特化した道具です。定規やはさみのように広い仕様用途があるわけではないので、たまにカードづくりをする方にとっては必要ない道具かもしれません。
しかし筋目をつけたほうが紙はきれいに折れます。ならばスコアリングボードなしで筋目つけができないものか・・・ですが、答えは「できる」です。
例えば、クラフトマットを紙の下に敷き、インクのでなくなったボールペンで筋目を入れる、この方法がひとつ。クラフトマットがない場合には、厚紙や雑誌や紙を何枚か重ねてもいいでしょう。
インクのでないボールペンがないときには? その場合にはインクを使い切ってしまうか、あるいは少し特殊なモノながら、クラフト用のエンボッシングスタイラス(鉄筆)などあれば、すっきりとした筋目がつけられます。
編み針(たぶん金属製)やかぎ針なども代用できると聞いたことがあるのですが、大切な編み物道具を硬い紙に押し付けるなど、わたしには畏れ多くてできません。
どうか後になって涙しないもので、いろいろ筋目つけを試してみてください。
※スコアリングボードはスコアボード(scoreboard, score bord)と呼ばれることもあります。
※スコアリングボードのお話は次回につづきます。
※見出し写真のつくり方は、まもなくアップします。