ふざけた夢だった。
朝起きて、ふふふっと笑ってる自分がいた。
隣には1歳2ヶ月の息子がコロンコロン転がりながら寝ていた。
その隣には、深い深い眠りについている夫がいた。
そんな彼らを横目に、声に出して笑ってしまったのは、夢のせいだ。
ちょうど1年前に父が遠くへ逝ってしまった。
孫に会わせられたのは、たったの2ヶ月。
間に合ったっちゃ、間に合ったし。間に合わなかったというほうが、しっくりくる。
その父が夢に出てきたのだ。この1年で初めてかもしれない。
あんなに会いたいと思っても出てきてくれなかったのに。
ふと出てきた。
ふと出てきて、タクシーを止めてくれて、乗せてくれた。
なんだよ、それ、っていう夢。
でもさ、そんなふざけた登場じゃなかったら
きっと私は泣きながら目覚めたんだろうなと思う。
ふふふっと笑いながら目覚めれたのは、パパのおかげ。
「夢のなかでタクシー止めてくれたのよ、パパが」と話す私に、
「いい夢だね、それ」と言ってくれてホッとできたのは、夫のおかげ。
*写真は、タクシー代を払いたがる息子です。