兄さん、パソコンに挑戦するの巻
今日もハシビロコウの弟くんはコーヒーを飲みながらパソコンを触っていました。
すると、兄さんが珍しく真面目な顔をしてやってきました。
ハシビロ兄「なぁ、俺にもパソコンの使い方を教えてくれないか」
ハシビロ弟(!?)
今まで機械には目もくれなかった兄さんが急にそんなことを言い出したので、弟くんはびっくりです。
ハシビロ弟「もちろんだよ兄さん!」
自分の作業を中断し、パソコンを起動する方法から丁寧に教えてあげるのでした。
〜数時間後〜
兄さんが何やら苦い顔をしています。
ハシビロ兄「うーん、やっぱり俺には難しいかもしれない…」
どうやらタイピングを覚えることに自信がないようです。
ハシビロ弟「すぐに覚えられるものじゃないよ。練習あるのみ、だね」
兄さんは運動以外のことになると、継続してコツコツ行うことが苦手なのです。
ハシビロ弟「それにしても突然パソコンを習いたいだなんて、兄さん、何かやりたいことでもあるのかい?」
兄さんは目を輝かせて言いました。
ハシビロ兄「最近は動画で筋トレの方法を見たりできるらしいから、俺もやってみたいと思ったんだ」
弟くんにはもう慣れたことですが、兄さんの筋トレへの情熱に驚くばかりです。
ハシビロ兄「筋肉のためだ、頑張ってみるよ」
心が折れかけていた兄さんですが、目標を再確認したことでやる気がみなぎってきたようです。目には炎が浮かんでいます。
〜数週間後〜
ハシビロ兄「弟よ、お誕生日おめでとう!」
ハシビロ弟「兄さん、これは…!」
数週間後にやってきたのはハシビロコウの弟くんの誕生日。
机の上には手作りらしいケーキが載っています。ケーキには弟くんの似顔絵も書いてあります。
弟くんが用事で家を出ていた間に、兄さんは誕生日ケーキを作ってくれていたのでした。
ハシビロ弟「これ、兄さんが作ってくれたのかい!?」
ハシビロ兄「あぁ、せっかくだからお前の好きなものが詰まったケーキを作りたいと思ってな」
ハシビロ弟「兄さん、ありがとう!」
感激していると、PCが起動されているのが目に入りました。そこにはケーキのレシピが載っていました。
ハシビロ弟(突然パソコンを習いたいなんて言い出したのはそういうことだったのか…!)
やけに情熱的な兄さんを思い出して、弟くんはちょっと泣きそうになりました。あたたかい気持ちでいっぱいになっていると、とても美味しそうな匂いがしてきました。
ハシビロ兄「今日はお前の好きなものづくしだぞ〜!いっぱい食べてくれ!」
兄さんの両手には溢れんばかりのごちそうが載っています。
ハシビロ弟「そんなに食べられないよ、兄さん」
冷静を装った弟くんでしたが、うれし涙をこらえることはできませんでした。
不器用だけどまっすぐな兄さんのことが、弟くんは大好きです。
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