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「慢性疲労症候群」で自己肯定感の大切さを痛感しました①

 日本では少し落ち着きを取り戻しつつありますが、世界中ではまだまだ猛威を振るっている例のウィルスですが。
爪痕は今も様々なところに傷を残しています。
直接的な爪痕といえば、後遺症。
あまり記事や報道もされていないですし、周知もあまりないですが、
ウィルス罹患後に発症する「慢性疲労症候群」という病気があるんです。

 私が現在罹っている病気が、その「慢性疲労症候群」。
いや、実は私の場合、例のウィルスに罹ったわけではないんですけど。
なぜか例のウィルスとは関係のないところで、妙な風邪をひいてしまいそこから発症してしまいました。なぜ。

 「慢性疲労症候群」とは。

『身体検査や臨床検査で客観的な異常が認められない状況で、日常生活を送れないほどの重度の疲労感が長期間続く状態をいい、身体的なもの、精神的なものを含め分かっていません。
患者には説明のつかない疲労が6か月以上継続します。』
                   MSDマニュアル家庭版より

 曖昧っ! あまりにも曖昧な診断基準!
本当に、珍しい病気だし、症例も少ないし、診断も難しい病気なのです。
けれども、この度のパンデミックで、「慢性疲労症候群」の後遺症を発症する人が増えました。
まさに、ケガの功名で、分母が増えれば研究も進み、症例を診た医師が増え、診断できる医師も増える。
「これが効くのではないか」という治療法も見つかりつつあると聞きます。
 今までは、診断できる医師さえほとんどいない為に十年も二十年も、身体の辛さを抱えたまま、何の診断も受けられないまま、周りに理解されず、無理やり暮らしていた患者さんも多かったのではないかと思います。

 私は、もともと、ペットをお預かりするペットホテルや老犬の介護をする老犬ホームというショップのマネージメント、店長のようなポジションで仕事をしていました。
 それはもう、「仕事=人生! ライフワーク!」とまで言うほど、馬車馬のように働いていました。
と言っても、仕事の中身自体は、そこまで忙しいお仕事ではないんですけれども。
ただ、ものすごく体力勝負、肉体労働を自負する仕事でした。

 もちろん、動物が好きでそういう仕事に就いたので、楽しく幸せにお仕事させてもらってました。
けれど、問題は、私自身の心の持ちようだったのではないかと思います。

 私は、
「仕事ができる、生産性がある」=「価値がある」
と無意識に思い込んで仕事をしていた気がします。

 うすうす気が付いてはいましたが、それが「悪いこと」だとは思いませんでした。
「困ったところ」だとも、「直さなければならないところ」だとも、
思えなかった。

 ただ、スタッフを育成するときに、私のそういう部分は、ジャマになりました。
スタッフにも、無意識のうちに「仕事をがんばることは良いこと」という価値観を、言葉にはしなくても伝えてしまっていました。
その結果、スタッフは、私が伝えたいこととは真逆の「仕事をがんばれないと価値がない」という窮屈で重苦しい思いをしたことがあったんじゃないかと思います。

 それでも、「がんばることは良いこと、がんばらなければ価値がない」という思いは、私の中に根強く残っていました。

 私は決して「良い子」ではなく、自分の好きなことを自分が好きなようにやってきました。
だからこそ、「自分が好きなこと、やりたいことでがんばるのは当たり前」と、自分に鞭打つことすら当たり前だと思っていました。


 二年前、なんだか変な、今までに経験したことのないような風邪をひきました。
なんだかわからないけれど、質の悪いことだけはわかりました。
いや、本当に死ぬかと思った。
 全く風邪をひくような季節ではない六月でした。 
高熱と喉の腫れが五日ほど続いて、その間、全く飲食ができず、トイレも出ませんでした。
水は飲まなければ死ぬと思い、水を飲んだけれど、喉が痛すぎて一口飲んでは吐きそうになり、それを堪えて三口ほど飲む、を繰り返して、
六日目に熱が引いて水が飲めたときは、漂流した無人島から生きて帰ったような気になりましたよね。
 その頃にはまだ例のウィルスは、海外からの水際だけでパニックになっていて、
日本人のほとんどは気にもとめていなかった頃だったので、
おそらく全く関係のないウィルスだったのだろうと思います。
 もともと病院に行く習慣がなかったので(!)、この時も、熱がひけばもう大丈夫だと思っていました。

 ようやく、仕事に復帰ができると意気揚々と家を出たとき、「おや?」と思いました。
足が重い。
身体が重い。
家の横の階段を上がっただけで、ふくらはぎがつりそう。

……まあ、病み上がりだからな。
体力が落ちえるんだろうな。

 この日から、よくわからない体調不良に悩まされ続けることとなりました。


 症状は、人によって本当に様々なようで、
重症になると寝たきりで生活しなければならないほど辛い場合もあるし、
なんとか普段通りの生活ができている、という場合もあります。
とはいえ、辛くないわけではない。

 私の主に生活に支障をきたした症状としては、

・身体の倦怠感、脱力感
 この感覚が難しい!
 どなたか、この身体の辛さを正確に他人に伝えられる方法を知っていたら教えて欲しい。
 私の場合、「ワン〇ースのル〇ィが海水に浸かっている時のような感じ」と表現するのが自分の中で一番しっくりくるのですが、
伝える人を選びますね。
今は、
「スマホの充電をイメージして、一番元気だった時を100%とすると、
病気になってからは朝起きた瞬間の体力は20~30%、
そこから少し身体を動かす度に少しずつ減っていき、出勤した頃にはすでに10%減っている。
少し座っていれば5%くらい元気になる。
夕方には0%になっていることがほとんど。
翌日も仕事の場合、昨日の疲れがとれていないことも多く、
20~10%からの出発ということもある」
と説明することにしています。

・四肢の筋肉痛
 特に何もしていなくても、常に筋肉痛。
 昨日フルマラソンでも走ってきたんか、というくらいの筋肉痛。
乳酸が溜まってますよ、という感じ。
(※乳酸=筋肉の疲労物質、だったはず)
 時々、筋肉が悲鳴をあげすぎて“つる”。
 普通に歩いていて、太ももの裏、ふくらはぎ、お尻辺りがつる。
痛いので、足をひきずって歩くような歩き方をしてしまう。
あと、自分の頭の感覚ではもっと早く歩けているイメージなので、
頭が前に出ていて、足が付いて行っていない。
 高齢者の方はこんな感じなのかな、とこの病気になってから頻繁に思う。

・精神的な落ち込み、抑うつ(体温調節ができない)
 私の場合、季節性の冬季うつ病ももともと持っていたので、
それと慢性疲労症候群による体温調節ができなくなる症状と相まって、
秋口くらいからめちゃくちゃひどくなってくる。
 朝、目が覚めた瞬間が一番死にたくなる。
 なぜって、起きなくちゃいけないから。
 死ねば起き上がらなくて済むのに。
 これも、もう数時間眠って日が高くなればまだマシな気分で起きられるんですが、なんせ私の職場にはフレックスも夏時間もないので、
年中無休で同じ時間に出社なのです。
 さらに、夕方になり日が沈み始めると、また鬱がひどくなってきます。
おそらく、気温とも連動していると思います。
 前世は冬眠する動物か、爬虫類などの変温動物だったに違いない。
 とにかく、冬に向かって行くにつれて、ひどくなっていきまして、
延々と過去の失敗した出来事を無限ループで思い出し続けたり、
延々と周囲の人々の言動を勘ぐって被害妄想に陥ります。
 泣けばすっきりすることもあるのでしょうが、なんだか、泣くほど感情も動かない。
だから、捌け口もないまま延々と自分の中でくすぶり続けます。

・不眠
 これも、実は、最初「不眠」だと気が付いていませんでした。
普通に、夜は眠れていたと思っていたので。
ただ、明け方、まだ外が暗い時間帯に、いつも目が覚めていました。
そこからもう一度眠ることもできたし、目が冴えてしまうこともあったけど、概ね、眠れているだろうと。
 病院で「慢性疲労症候群」だと診断が出て、漢方を処方してもらったとき、めちゃくちゃ眠れて驚きました。
こんなぐっすり眠れるの!? 寝るってこんなんだったっけ!?

・認知機能の低下、高次脳機能障害
 「いままでできていたことができなくなる、わからなくなる」これにつきます。
おそらく、この症状は周りの人にバレてましたね。
仕事に支障をきたしまくりました。
 難しい判断ができなくなる、段取りが組めなくなる、忍耐力がなくなるからじっくりと取り組むことができない、など。
 たとえば、
キッチンで、コップいっぱいに注いだコーヒーを、手が当たってこぼしました。
その瞬間、脳のストレス容量がオーバーして、
1.コップを起こす
2.コーヒーだから、ティッシュで拭かなければならない
3.いや、量が多いからまずは布巾だ
4.流し台から床に零れ落ちてるコーヒーを拭くのが先だ
等々の判断ができなくなって、何も考えられず、
とりあえず寝ました。
コーヒーをそのままにして。
 この症状を認識したとき、さすがに
「あ、自分なんかおかしいぞ。普通じゃない。なんか普通の状態じゃない」
と自覚しました。
自分のやる気の問題ではないのではないか。
ただの疲れや体調不良ではないのではないか。
 それで、ようやく、自分が病気であることを認めました。 


 今のところ、漢方で「抑うつ」「不眠」「認知機能の低下」あたりは、治ってきたというか、機能が回復してきました。
調子が良い時にはこうして文章も書けるようになりました!
やったね!

つづく

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