心理学検定特1級に初学者が2ヶ月で合格した体験記

心理学検定とは

　日本の心理学諸学会56団体が加盟している日心連が主催する検定です。
　2008年から実施されていて今年で14回目の開催になります。
　認定級は特1級、1級、2級の3種類で、以前は一度に受験可能な科目が限られていたため特1級取得に最低でも2回受験する必要がありましたが、2021年度からは1回の試験で全科目受験可能になったため、特1級一発合格が可能となりました。
　科目はA領域（原理・研究法・歴史、学習・認知・知覚、発達・教育、社会・感情・性格）、B領域（神経・生理、統計・測定・評価、産業・組織、健康・福祉、犯罪・非行）の10教科。すべて4択問題で、各科目20問ずつ出題されます。試験時間は各領域100分です。
　難易度は大学卒業程度とされていて、本検定に合格すると、一部の大学では大学院入試で優遇措置を受けたり、心理学部の単位として認定してもらえます。

今回受験した経緯

　大学院進学に必要な基礎知識をつけるためです。
　現在私は会社員なのですが、仕事をする中で自身を含めてキャリアに悩む人を多く見てきたことから、カウンセラーになろうと思い立ちました。しかし大学時代は別専攻であったため、心理学の知識は皆無です。そこで、先ずは心理学の基礎知識を身に付けるために、心理学検定に挑戦しようと決意しました。

心理学検定にかけた費用・時間
　

　費用合計：¥26,900
　　・受験料…¥12,100
　　・テキスト代…¥11,500（心理学検定基本キーワード、一問一答（印刷版と電子版）、公式問題集、臨床心理士指定大学院対策 鉄則10&キーワード25 心理統計編、史上最強カラー図解 脳のすべてがわかる本）
　　・特1 級認定申請料…¥3,300
　勉強時間：50日間200時間

　短期合格のために一問一答は紙の書籍と電子版を2冊購入しました（笑）
　紙の書籍メインで、電子版は隙間時間に使用しました。
　また、B領域の神経・生理と統計・測定・評価は、公式テキストに加えて参考書を利用しました。一冊ずつ仕上げたことでかなり理解が進みました。

勉強方法

1．基本キーワード…1周しました。太字をマーカーで隠し、単語を書き取り。
2．苦手分野の重点学習…ステップ1で理解の怪しかった神経・生理と統計・測定・評価は、公式テキストにプラスして下記テキストを使用しました。

　神経・生理

　史上最強カラー図解 プロが教える脳のすべてがわかる本

　統計・測定・評価

　臨床心理士指定大学院対策 鉄則10&キーワード25 心理統計編

3．一問一答…3周しました。解説文も全て覚えました。
4．公式問題集…理想は3周です。私は時間配分をミスしたので、2割ほど解いた時点で試験当日になってしまいました。
　その他、図書館で心理学概論書を数冊流し読みして、キーワードに載っていない単語をチェックしましたが、殆ど出ませんでした。（知能検査の選択肢で一問だけ公式テキストに無い検査名が出題されましたが、公式テキストを読み込んでいれば消込可能でした。）
　心理学検定は公式テキストのみ勉強すれば合格出来ます。ただし、初学者の方は、概論書を横断的に読むことで最重要単語が見えてくるので、時間があれば目を通してみることをお勧めします。

試験当日の話

　今年からCBT形式による開催のため、当日は申込時に登録した都内のPrometric社の試験会場へ行きました。私が選択した会場では、心理学検定以外の試験を受験している人もいて、入退室も人それぞれでした。
　試験中、画面に表示された問題文・選択肢に、右クリックで黄色マーカー・取り消し線を付けることが出来ます。見直し&うっかりミス回避のためにも活用することをおすすめします！

結果

　10科目の平均偏差値は58でした。
　社会・感情・性格は偏差値49ですが合格だったので、受験生全体の平均点が高かったということなのでしょう。私自身も、勉強していて簡単に感じたので、あまり時間をかけませんでした。
　決して優秀な成績ではありませんが、一発合格のために必要最低限の知識を要領よく習得出来たということで満足しています。笑

感想

　人の心という究極の宇宙を体系立てて学問としている心理学は大変奥深く、勉強していて面白かったです。
　巷のブログで特1級取得のための必要勉強時間は150時間と書かれているものが多くありますが、これらは全て2回に分けて受験された方の口コミです。
　今回10科目を同時に勉強し、かつその記録を毎日Twitterに記録してエビデンスを残してきた私としては、初学者が150時間で特1級に合格することはかなり難しいと思いました。最低200時間は確保して臨んでください。
　また、その際は「基本キーワード→公式問題集→一問一答」の順で勉強することをお勧めします。

　初学者の方はあまりの範囲の広さについ「2年に分けて受験しようかな。」と感じてしまうかもしれませんが、短期集中できちんと対策をすれば、心理学を勉強したことがない人でも一発合格は十分可能な試験です。
　2年に分けると時間もお金もその分かかりますので、出来れば一発合格を目指すことをお勧めします。
　
　今回の挑戦を通じて心理学概論を身に付けることが出来たので、次は実技試験のあるカウンセラー系資格を目指したいと思います！

　最後まで読んでいただきありがとうございました♪