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僕にとっての坂本龍一
お久し振りです。投稿を1年程?いや、それ以上サボってました。書きたい事柄は幾つかありましたが上手くまとまらずnoteは放置しておりました。
そんなこんなで今回は敬愛する「坂本龍一」についてです。
何故、坂本龍一(教授)について書こうと思い立ったかと云うと先日、東京都現代美術館にて開催されている「坂本龍一 時を聴く,音を視る」、都内某所にあり、教授自身の所有していた本を読むことができる図書構想「坂本図書」に行って参りまして、自分にとって「坂本龍一」と云う存在から受けてきた影響は大きい。けれどその"影響"が漠然としていると感じて考えをまとめられたらいいな。と云う様な目的の為に書いてみようと思います。
※展覧会については色んな人が書いているので割愛
坂本龍一の音楽との出会い
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まず初めに教授の音楽との出会いは確か中学生の時にたまたま観た「戦場のメリークリスマス」だったと記憶しています。劇中の音楽も担当し、自らも俳優として出演しているというあれ。映画を観ていない方でも「Merry Christmas Mr.Lawrence」は聴いたことがあるんじゃないでしょうか?言わずもがな美しすぎる曲ですわね。
他にも「energy flow」や「aqua」などの有名なピアノ曲はたまに聴いていた記憶があります。ですが、その頃は普段聴いている音楽の1つに過ぎず、特別教授のファンと云うわけではありませんでした。
「async」の衝撃
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「async」は2017年にリリースされた教授のオリジナルアルバムで当時、自分は進学で愛知に引っ越しをした年でした。初めての一人暮らしの部屋で何気なくアルバムの1曲目の「andata」を再生した時、なんと云うかその荘厳さに稲妻が走るが如くビビッ!!ときてしまったわけです。「async」はアルバムとしてかなり実験的で、なんだこの音楽?聴いたことない音楽だし、このアルバム半分以上ピアノ弾いてないじゃん!!というかメロディーがない曲もある、ずっと同じ音だし分からない…てな感じで未知の音に興味が爆発して「async」をきっかけにアンビエントやらノイズやらを聴き漁る様になったわけです。
そんなこんなで僕にとってのベスト坂本龍一はこの日から今日まで変わらず「async」ですので本記事は主に「async」に焦点を当てた内容になるかと思います。
async=非同期
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「async」とはasynchronization(同期しないこと)の略称でアルバム2曲目の「disintegration」を例に挙げると別々の音がそれぞれのテンポ感で鳴っているのに調和がとれており一つのテンポに”同期していない”。混沌としているのに何故か調和が取れている現代社会みたい。音楽理論には疎いので理論的に〜とかはよく分からんがアルバムのコンセプトとしても面白すぎる。
4曲目の「ZURE」では東日本大地震で波に呑まれたピアノを使用しており、教授曰く、「元々木であった物を人間が加工してピアノにして調律しているから人間にっては調律された音が"自然"かもしれないけれど自然にとっては”不自然”かもしれない。津波によって自然が調律したピアノ」と云う様なことを語っていた。実際に曲中でも調律はせずに使用されているとのこと。ここでも調律に"同期していない"と言える。
外界からのノイズの影響
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以前インタビューで教授が語っていたレコーディングが終わってから確認の為に「async」を車内で聴きながらドライブしていた時に外界からのノイズが音楽と混ざり合って新しい音楽が産まれた。という旨の記事を読んだ時に丁度ジョンケージの「4分33秒」という曲に関心を持っていた時期ということも重なってこれまたビビッときてしまったわけです。
ジョンケージは20世紀の音楽家で「4分33秒」とは奏者が4分33秒の間、何もしないと言う曲である。それ曲と言えるのか?という感じであるが、ここでジョンケージが提示したことはその4分33秒の間に鳴っている客席からの息遣いや椅子の軋む音、その他外界からのノイズも音楽です。というような内容らしい。
ぶっ飛びすぎ、哲学的過ぎていて理解に苦しんでいた時に上記の教授のインタビューを読んで点と点が線になったような感覚になりました。
それからというもの、自分自身も生活の中で鳴っている音を意識する様になりました。そんな音に耳を澄ましてみると、好きな音も好きじゃない音もあるわけです。例えば川の流れる音や木々の揺れる音、遠くで子供達がはしゃいでいる音、雨の音なんかは心地いいということに気付く、でも雨に濡れた道を車が走り抜ける音とかはあまり好きじゃないとか、繁華街をイヤホン無しで歩いてみると、やかましくてたまらない。しかしハーシュノイズやなんかを聴きながら歩いてみると街、人の発するノイズと混ざり合ってむしろ良いみたいな現象が起きて街全体がインスタレーションと化してしまうなんてことが起きて面白かったりする。
因みに最近のお気に入りの音は我が家の風呂桶を雫が打ち付ける音です。不規則なのに妙にリズミカルで湯船に浸かりながら聴いたりしています。
あなたの4分33秒はどんな音が鳴っていますか?
坂本龍一は思想面でパンクスであると思う
坂本龍一から受ける影響は音楽に留まらず思想面でも共感することが多い。自分はハードコアパンクやクラストが好きということもあり多少なりともアナーキズム的な考え方をすることがしばしば有りますが教授とパンクス思想的なものはリンクする部分があると個人的に思う。例えば教授は若い頃、学生運動に参加していたり、反原発を初め、反戦、環境保全への取り組み、人は平等であるべきという様な反権威主義的な考え方、等々パンク、クラストとリンクする部分が多い様に感じる。そうでない部分もあるとは思うけれど教授の書籍やインタビュー記事を読んでいて強く感じた次第です。
持論ですがパンクって優しいと思います。教授の思想を通してパンク、クラストのことも更に好きになったりもしています。
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(アホアホマン)
最後に
上記の様に教授から受ける影響は音楽に留まらず、思想面でも自分を構成する大きな要因の1つとなっている。
教授の音楽はどこか生活に寄り添っていて哀しげなメロディーの中にも優しさや葛藤が垣間見えるところが特に好きです。これからも教授の音楽と共に生きていきたいと思っています。
他にもYMOについて等々有りますがキリがないので今回はこの辺で。ここまで読んで頂きありがとうございました。
最後に自分が好きな教授の楽曲をいくつか。
キリがありませんでした。