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ワインエキスパートへの道のりが想像を絶した vol.2

そもそも、ワインエキスパートを受けようと思ったのは家の隣にあるワインバーのおかげだ。通い続けて、もう6-7年になる。それまで、ワインについては、白、赤、泡ぐらいの認識で仕事柄そういったメーカーの方とのお付き合いはあれど、基本は知らずにすいませんなスタンス。試飲会やペアリングディナーに招待されることも多かったが、都度知ったふりをしたり、素知らぬふりをしていた。

私はワインバーに通うたび、店にいる人たちのワイン熱を羨ましく思うようになっていた。そこは、目の前にあるフレンチの姉妹店で、カウンター6席に4人掛けのテーブルが1卓。名物ソムリエの女性が、快活に接客をしてくれていた。グラスワインが豊富で、気分に合わせて提案をくれる。オーナーシェフがクラシックなスタイルゆえ、ワインも正統派。ナチュラルワインもあったけど、ブルゴーニュやら新世界やらという言葉が飛び交っており、相当なワイン通が訪れても、満足度は高かったようだ。

そこに、コロナ前の多い時は週3-4、コロナ中は少なかったけど、コロナが終わったらまた通い出していた。

では、何が私を惹きつけたのか。

ワインを知ることで人生がもっと楽しくなると思わせてくれたこと。

レアなワインがあればみんなでシェアする。
ブラインドでいい大人がキャッキャする。
料理とワインとの相性を真剣に考える。

そう、ワイン通なお姉さまはブルゴーニュ好きな友人が亡くなった時、涙ながらに思い出の一本を開けていた。隣にいた私にもグラスをくれ、皆で「ブルゴーニュに乾杯」と悲しんだこともあった。

そんなワインが人生に寄り添ってる系の人にとって、ワインエキスパートやソムリエの試験は一種の登竜門であり、毎年の風物詩であった。誰かしら周りの人が受験したり、その話になるので、耳にする機会も増えた。

実際、22年度の試験を友人が受けるとかで、彼の受験に向けたアカウントをフォローしたり、そもそもパートナーも受験していた。本当は私も2023年に試験を受けようとしたのだが、日程の感覚を把握しておらず、4月ぐらいにどうやるのかな?と思ったら、スクールに行くにはもう遅かった。24年には…と思っていたものの、また日々の多忙にまみれて忘れかけていた。

2月中旬。ふとスクールのサイトを見るとその週末から授業が始まるというではないか。これは奇跡と、その勢いでスクールに申し込んだ。平日は忙しく、夜が見えずらい。土曜も仕事になることも少なくなく、ということで、比較的何も入らない日曜の午前の回を選んだ。場所は渋谷と恵比寿の間。毎週日曜の午前、私はワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」に通うことになった。

続く

※2024年度 J.S.A.ソムリエ・J.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験は、毎年7月20日前後から一次試験がスタート。4択問題を基本としたCBT方式での試験となり、個々に対する試験が異なる。7割取れれば合格と言われている。1次に受かれば次はテイスティングの試験。ワインエキスパートの場合、白2種、赤2種、それ以外の酒1種が出題され、特徴をマークしていく。

書いたようなスクールに行かずとも試験は受けられるのだが、教本は800ページにも及ぶ膨大な範囲と難易度ゆえ、独学の合格はかなりの難易度となる。

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