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宿の「期待」はお客様の「来たい」
私たちの宿には樹齢100年以上(推定)の夏みかんの木が2本あります。なぜ推定かというと、向かいの93歳のおじいさんが教えてくれました。「ワシが子供の頃この木に登って遊んでいた」と。とすると樹齢100年以上かなと。
毎年200個以上の実をつけ、ジャムを作ったり、ステーキのソースを作ったりします。今年は夏みかんゼリーをつくってみようと思うのです。。
その夏みかんを使ったステーキソースがとても宿泊のお客様に評判よく、「美味しい美味しい」と言われます。
というのも香川のブランド牛であるオリーブ牛は「甘い脂」が特徴なので、よくステーキにかかってる甘いソースよりも、柑橘系の酸味がよく合うのです。
「自社の庭になった夏みかんで作ったステーキソースです」と説明すると100年という時空ストーリーに感動されます。古民家だから成り立つのだと思うのです。
宿にたいせつな事は旅人にたいせつな事
考え方はいろいろあると思うのですが、私たちの宿が目指したスタイルは「料理宿」です。自分たちが旅をする時に重要視するのはいつも「料理」です。なので、自分たちが作る宿は「美味しい宿」にしたい。そう決めました。
温泉も出ない場所に温泉を求めても仕方が無いし(大資本があるなら別の話です)せっかくの古民家を快適に便利に改装したところで「泊まってみよう」という「来館動機」にはならないんじゃ無いかと。
「不便」な古民家ならその「不便」を楽しむ
廊下に段差はある、部屋の入り口で頭を打つ、コンセントは少ない、隙間風が入ってくるなど、現代からするととても不便な古民家。でも部屋は広いし、天井は高い。密閉感は無く、縁側から出られる庭はあるし、とえも開放的。不便な時代の建物ならその「不便」と「昔ながらの良さ」の両方をおおいに楽しんでもらおう。それが古民家なんだそう思いました。
部屋にあえてテレビは置かない。時計も置かない。ゆっくり流れる「上質な静かな時間」を楽しんで頂くために。
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コロナを経て7年目にしてお客様からは「うれしい評価」を頂いています。安い宿ではないので正直毎日満室になる事はありませんが、2月3月と順調にご予約頂いてます。(5月以降は予約あけていません)
去年の12月31日に「年末年始特別プラン 特別懐石の夕食と年越し蕎麦カウントダウン おせち懐石の朝食」という限定プランを初めて出してみました。宿泊代はお一人5万円。即完売でした。
そして先日、今年の12月大晦日の予約がしたいと問い合わせを頂きました。まだ2月が始まったばかりなのに?嬉しいですね。情報はまだ何処にもリリースしていないので「リピーターかな?」とも想いましたが。
宿が考えた「期待」がお客様に通じて「来たい」と思って頂けたのだと。
こうやって私たちはこの宿を作ってきました。次はこの宿をどなたが引き継いでくれるのか。そして更にどうやってお客様を喜ばせてもらえるのか。僅かながら土台部分は出来た気がしています。
<引き継ぎ状況>
県下数社に宿を引き継いで頂けませんかと打診中。東京や都会の企業だと簡単に話が進むのかと思っていましたが甘かった(笑)気になる方がいましたらメッセージください!