保土ケ谷の帳は面白い!?区境のご紹介
お世話になっております。
西沢です。
今回は(珍しく)保土ケ谷区ネタにて勝負させていただきます。
さて、2023年の5月の話ですがこんなことをしました。
構想を考えたのは2022年の年末、区境ウオーキングが流行りだしてた時(?)でした。保土ケ谷区は面積も18区中の半分より下くらいの順位で円にしてみると30キロくらい…?(坂は多いけど)
じゃあ、歩けるな!
そんな調子のいいことを思った自分がバカだったと振り返ります。
その坂が地獄だということを…
そんな区境は坂だらけですが、面白いですよってそんなテーマで書いていきたいと思います。(歩いた当時の写真とスポットによっては撮りためた写真で紹介します)
1.何もないがある上菅田地区
スタートは区境にぴったりな名前のバス停「神保境」
これだけ見ると、歴史のありそうなバス停に見えますが、改名されたのは2022年の10月。以前は、旭硝子の研究所がこの近くにあったので、「旭硝子入口」と名乗っていました。
また、この後83系統が相鉄バスに移管したことにより過渡期の風景だと感じられますね。その後は神奈川区の羽沢から菅田町の境へと変わっていきますが、両町ともに自然豊かなのでのどかな風景が続きます。
そして、坂、丘が続くのでジワリと体力を奪っていきます。
保土ケ谷区と神奈川区と緑区の境にはお墓があります。
ここから細い道をアップダウンすると緑区の歴史遺産の庚申塚があります。
あぜ道を降りて、青砥上星川線を渡り、坂を上っていきます。
丘の上には見晴らしのいい富士山を眺められる景色と、小学校(廃校)があります。笹山団地は1960年代に整備された大規模団地です。これにより市営バスも新規バス路線(急行92系統)を設定したり、新しく小学校(笹山小学校)を作ったりと大いに栄えましたが、少子高齢化のあおりを受け、バスは大幅に減便と小学校は統廃合となり、寂れた団地の様相を呈しています。
ただイチョウ並木はきれいだなと思いつつ、カメラに納めました。
一方で笹山団地の商店街は昭和レトロな雰囲気も漂わせ、2018年ごろに愛唄-約束のナクヒト-にてロケ地にもなりました。(現在は長寿庵さんなんと閉店されています…)
こういった、趣のある建物が多く存在しているのもこの地区の魅力ともいえそうです。(いつまでこの風景を見られるかもわからないですが。。。)
いずれ、笹山団地(上菅田)周辺についても最終的なまとめとして書いていきたいと思います。
この先、緑区、旭区、保土ケ谷区の三区の境がありますが、周辺には県立白山高校があります。(偏差値はお察し)
2.慈悲はない素直に西谷へ行かせない新井地区
白山辺りから白根を横目に進むと、千丸台団地が見えてきます。
千丸台団地はギリギリ保土ケ谷区ですが、この向い側の丘の新興住宅地が旭区なので、旭区のイメージが先行すると思います。
また、横浜のスパ銭でも有名な「横濱スパヒルズ竜泉寺の湯」もこのあたり(旭区)にありますので、このあたりを歩くのに休憩やゴール地点にちょうど良いのかなと思います。
ただ、やすやすと西谷方面に抜けられるわけではありません。新井町の坂地獄です。新井町と川島町は当時の地主ごとで境界線ができたため、大変複雑な形状となっており、境界線が曖昧となっております。代わりに景色はとても良いので、丘の上から旭工場(ゴミの焼却場)を眺めた景色はとてもいいです。
そして、度重なるアップダウンを乗り越えて、出た先は国道16号と境界を示す標識です。
この後、帷子川と相鉄線を飛び越えて、西谷、くぬぎ台へと向かっていきます。
3.西谷~くぬぎ台~環状2号への旅路
西谷駅の留置線のあたりで帷子川を渡っているのは相鉄の風景を見ている方なら大体わかるかとは思いますが、そのあたりが保土ケ谷区と旭区の区境になっています。私は帷子川の流れを見つめながら相鉄が走っている姿を眺め、後ろには新幹線が駆けていく逆田橋周辺の風景が好きです。
機会があればぜひ。
帷子川の支流沿いを進む(実はこのあたりも実際区境上に道がないところがあるので注意)とくぬぎ台団地があります。
くぬぎ台団地も笹山団地と同じく、一時期大きく人口が増えましたが、その後の高齢化により、小学校が廃校になり、活かしきれてない校舎があります。今後このような町が増えてくると思うので、防犯や地域振興の点からもできる手立ては考えていきたいものですね。
その後は水道道を西原住宅を横目に横切り進むと、保土ケ谷高校が見えます。そしてなんと保土ケ谷高校の敷地中に区境があります。
名前に区の名前が入っているにも関わらず、区境にあるなんてちょっと面白いですね。(旭区が元々保土ケ谷区だったので区分けの際にまた事情があったのでしょうが…)
その後は環状2号に出ます。この位置は「陣が下渓谷公園」や「みずのさかみち」が近くにあります。保土ケ谷の自然を語るうえで有名なスポットである陣が下渓谷や横浜の水道の歴史の語り部であるみずのさかみちもいずれノートのほうにまとめていければと思っています。(文章が長くなりそう)
また、環状2号という単語は区境を歩くうえであと三回は出てきます。よほど区境を走っているのですね…
4.市沢~たちばなの丘公園~新桜ケ丘
市沢の周辺には西谷浄水場があります。厳密には区境上にあるわけでもないですが、区役所の担当者が勘違いするレベルには区境に近いです。
場内は配水設備も含め広大な面積を誇り、横浜FCのトレーニングセンターやクラブハウスもこのあたりにあります。
西谷浄水場に関しても前述の「みずのさかみち」を含めて記事にまとめたいと思います。
現在西谷浄水場は再整備を行っており、横浜水道記念館は閉鎖となり、見学もできない状況ですが、いつか整備が終わったのちに横浜の水道について学べる施設がこの地に復活することを切に願います。
その後、仏向町をなぞるように進むと、「たちばなの丘公園」(通称:カーリットの森)が見えてきます。
元々、日本カーリットの火薬工場跡地にできた公園で平成23年に整備されました。弾薬工場跡地ということもあり、弾薬保管庫と使用されていたレンガ造りのトンネルや、レール跡、立ち入り禁止の塀が残されており、ところどころ物々しい雰囲気と、自然豊かな谷戸を含む森を感じることができます。
駅からは距離がありますが、個人的にはおすすめのスポットです。
たちばなの丘公園から桜の伐採されて桜のない新桜ヶ丘を横切ると2回目の環状2号へと出ます。新桜ヶ丘インターは環状2号と日本で一番交通量の多いバイパスこと保土ヶ谷バイパスの接続点であり、多くの車が行きかう横浜市においても重要な要所となっています。保土ヶ谷バイパスと名前がついていますが、多くは旭区を通っているので、このあたりの名前の由来も保土ケ谷区分割の名残があるのかなと思います。旭区との結びつきも何となく感じながら、今井町へ向かっていきます。
5.今井町~横浜カントリークラブ~境木
旭区の左近山団地を横目に保土ヶ谷バイパスを渡ると、車の喧騒を離れ、保土ケ谷区はまた自然豊かな風景を醸し出していきます。
このあたり(今井町)は小規模の畑もあり、市民の憩いの場としても機能していそうですね。今井町大上公園は階段が続いていて興味がわきましたが、大きく道から外れそうだったので、今回は断念…
保土ケ谷区と旭区の区境を示したポールもこのあたりにあり、区境ウォーキングの醍醐味を感じられます。(こういう両矢印の標識は珍しい気もします)
今井を進んでいくと横浜カントリークラブのゴルフ場の敷地が見えてきます。このあたりが保土ケ谷区と旭区と戸塚区の区境に当たるようですが、私が見た限りだとそういった表示がないので、断念…
ゴルフ場を抱えている道なだけあって、歩道も整備されています。戸塚区と旭区の境はホール上にある個所もありますが、保土ケ谷区の境はこの道をなぞるようにあるので歩きやすかったという感じです。
横浜カントリークラブの道を降りていくと、横浜新道の今井インターが見えてきます。横浜新道を渡り、また坂を上り一本道を緩やかなアップダウンを繰り返すと環2境木付近へ出ることができます。
交差点を画像を見ればわかるかと思いますが、ほぼ東戸塚です。
東戸塚の位置的に周辺に他の駅がないこともありますが、境木も近いこともあり、保土ケ谷区民も東戸塚を使う人は多いようです。
そして、境木地蔵に到着です。
境木は旧東海道上で武蔵の国と相模の国の国境にあり、今では保土ケ谷区と戸塚区の区境にあるとは不思議な場所ですね。境木地蔵には建立にエピソードがありますが、いずれ旧東海道についてまとめていきたいとも思っています。(まとめたいことだらけですね)
また、旧東海道と別れ、権太坂和泉線の下り坂の区境の道中には投込塚があります。旅人の難関であった権太坂の道のりを象徴する塚です。境木地蔵尊とともにお参りしたいですね。
6.狩場~子ども植物園~清水ヶ丘へ
国道1号へ向かって細い道を下っていくと、箱根駅伝の華の2区の途中タイムを観測している地点が見えてきます。新春の駅伝時には多くの観客が旗を振り応援するスポットは普段から多くの車が行きかう大動脈として機能しています。このあたりには戸塚区との区境の標識がありますが、実は南区との区境でもあり、ここからは南区の区境を歩いていくことになります。
この付近はとにかく紹介するスポットが多いです。まず、南区側には「子ども植物園」があります。特に紹介したいのは薔薇です。以前、ノートに子ども植物園の薔薇についてまとめた記述もありますので、こちらもご覧ください。薔薇だけでなく色々な草花を見ることもできるので勉強になります。
そして、保土ケ谷区側には児童遊園地があります。
児童遊園地は広い敷地の中にこちらも色々な草花が植生してあり、子ども植物園と合わせて植生の勉強にぴったりなスポットです。また、隣接する保土ケ谷工場(ゴミ焼却場)は今度建替え、再整備することが発表されており、2031年を目標に整備されていく予定です。
また、児童遊園地の隣には第二次世界大戦、その後の朝鮮戦争時に亡くなった英連邦の方が埋葬されている墓地(英連邦戦死者墓地)があります。
過去にはダイアナ妃が英国よりお参りに来たことでも話題になりましたね。
過去の戦争を鑑みる意味でも大切な場所ですね。
そのあとは首都高狩場線を沿うようにもう何度もみた坂をアップダウンしていきます。このあたりは住宅やところどころに見える緑が見下ろせる地点も多く、内陸の横浜らしい風景に出会えるのかなと思います。
この日は風が強かったので、日差しが強く、暑かったのですが、吹き抜ける風が体を冷ましてくれるような、そんな気候でした。
歩いていくと階段を下りて、環状1号を渡り、また、狩場線を越えるために階段を上ってのアップテンポ、地形もそうですが主要道を越えるのにも一苦労する場面もありました。
首都高狩場線の永田料金所を越えて少しすると清水ヶ丘公園が見えてきます。公園内の大半は南区に属していますが、野球場の一部は保土ケ谷区となっており、区境にある大き目な公園という印象です。
清水ヶ丘公園の敷地内には南区内ではありますが、「大原隧道」があります。水道幹線路(太い水道管)と公道を兼ねた珍しい隧道で「大原隧道」より西側、保土ヶ谷駅よりに存在する「東隧道」と併せてデザインも似ていることから「兄弟隧道」と呼ばれるトンネルです。
西谷浄水場から水道道を走り、兄弟隧道等を経由して磯子や蒔田などの海側へ水道水を供給しています。
ロケ地としても米津玄師の「KICKBACK」のMVにも登場するなどしています。
7.岩井~西久保町~天王町~洪福寺松原商店街
清水ヶ丘公園公園を抜けて坂を下りるといよいよ残り3分の1といったところ、聖隷横浜病院の近くには久保山が近くにあり、南区との区境と別れを告げ西区との区境へと差し掛かります。
以前にはこのあたりには保土ヶ谷区の名物とも言われた保土ヶ谷せんべいがありました。
炭焼きの手焼きのおせんべいは一枚から購入することができ、近所の住民や遠くから買いに来る方もいらっしゃったようです。
珈琲せんべいは珈琲シュガーの甘苦さとせんべいのしょっぱさが絶妙にマッチしておいしかったです。
2021年年末に惜しまれつつ閉店してしまい残念な思いがありますが、備忘録としてご紹介いたしました。
その後は住宅街を歩いていくと道標七曲坂付近につきます。この坂を下ると、国道一号線に出ることができ、街の風景は住宅街から都市へと一気に変貌を遂げます。
この周辺は線路上に区境があるので、線路沿いを歩いていきます。
まさかの区境に西横浜駅があるとは思いませんでした。思わずカメラに納めました。駅舎自体は西区にありますが、乗務員の詰め所として使用されていた建物は保土ケ谷区にあるなど、区境を感じられる要素を含んでいます。
その後は帷子川沿いを天王町へ向かって歩き、環状1号付近から横浜駅西口方面へ歩を進めると国道16号と洪福寺松原商店街が見えてきます。
旧東海道上に存在する松原商店街はハマのアメ横としてワイドショーの常連となっている「魚幸」や空いた段ボールを店の屋根に投げる「青果 外川商店」、元ベイスターズ小池選手の実家である「丸秀園」など、色々なお店が並んでます。松原商店街自体は西区との区境にありますが、大半のお店が保土ケ谷区内にあるので、保土ケ谷の名所として紹介しても問題ないかと思います(笑)
さて、ここから旧東海道と別れを告げ、浅間台の急坂を上っていくといよいよ区境ウオーキングも最終章を迎えます。
8.三ッ沢~羽沢~そしてゴールへ
さて、ここから再びの住宅街と度重なるアップダウンを経験し、坂をさらに上っていきます。このあたりの写真がないのはお察しの通りもう満身創痍でした。上り坂よりも上りの階段のほうが上がりやすかったレベルで、辛かったです。
そして、坂を登った先で西区とお別れをしつつ神奈川区と再び区境となります。初めに見えてくるのは2020年に移転した市民病院です。元々は三ッ沢公園の北西側にありましたが公園を挟んで対角上に移設されました。このことによって保土ケ谷区から神奈川区に移動したとも言えます。
また、市民にはおなじみの三ッ沢公園があります。陸上競技場では小学生の時に横浜市立小学校体育大会の際に三ッ沢グラウンドで訳のわからない市歌のダンスを踊ったという黒歴s…をって方も一定数いるのではないかと思います。
また、球技場のほうでは横浜Fマリノスや横浜FCがホーム球技場として使用しており、多くのファンが熱狂する場所かと思います。
また、季節に応じて桜や紫陽花などもきれいなので市民の憩いの場としても機能しています。
その後、岡沢町の旧市民病院跡地を横目に首都高三ッ沢線を渡り、歩いていくと、横浜新道と新横浜通りの立体交差点に到着します。ここの歩道橋は目の前のホンダカーズ横浜三ッ沢店がネーミングライセンスを取ったため、「ホンダカーズ横浜三ッ沢歩道橋」と名前がついています(まさか、家族が購入した車の利益がそうやって流れてくるなんて…)
また、この付近には滝ノ川あじさいロードと呼ばれる紫陽花が楽しめるスポットがあります。全長800mほどの道のりに紫陽花が続いて咲いているさまは美しいので、梅雨の憂鬱晴らしにぴったりなスポットだと思います。
片倉町を横目に細い路地に入ると、そこは畑でした。
第三京浜を渡ると、特に神奈川区でも農業が盛んな羽沢、菅田地区が広がっていて、キャベツ畑が広がっていました。そして、遠くに見えるランドマークタワーをはじめとした、横浜の都会の風景がより横浜らしさを醸し出しています。
また、ランドマークの反対側は何もないと思いきや、羽沢横浜国大駅前にそびえるリビオタワーを拝むことができ、徐々に人が集まってきているしるしのようにも感じられました。
ここまでくればラストスパート、横浜保土ケ谷中央病院の脇を通って、環状2号へと歩を進めます。
最後に車一台通るのがやっとの細い道を進んでいきます。沿道には上星川小学校のほかに上星川あおぞら公園があり、子供たちの遊び場もあります。
そして、環状2号の橋を渡り、七里椻のバス停を越えて、歩くと神保境のバス停が見えてきます。
保土ケ谷区一周の旅は8時間を超えて何とか達成することができました。
最後に
まず、保土ケ谷区の区境は面白いです。保土ケ谷区の歴史を語るうえで重要となる旧東海道を通り、水道に関連した施設も境に多々あります。
自然として、区内だけでも陣が下渓谷やたちばなの丘公園、児童遊園地など、多様な公園が境にあるため、巡ってみるのもよいと思います。
区民も区境には何があるのかわからないといった方も多々いますので、今回のまとめをみてぜひ保土ケ谷区の魅力に触れていただけると嬉しいですね。
徒歩の感想としては坂が多い保土ケ谷といったイメージをそのまま引っ張ってとても厳しい道のりでした。一方で景色のいい地点もカメラに収める以上にあったので、エリアごとに分割して、巡るのもいいと思います。
今回色々な季節の写真を過去のファルダから引っ張って紹介したように、季節に合わせてその地区を訪れるまち歩きも素敵ですので、自分に合ったスタイルで保土ケ谷の区境を頂ければなと思います。
いずれ、今回紹介しきれなかった保土ケ谷のスポットについて改めて紹介いたしますので、そちらも楽しみに頂ければなと思います。
ご覧いただきありがとうございました!