【7分で解説:脊髄ショック】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第49回 PM-問題83 #せきそん国試
今日は第49回PT国家試験の午後:問題83を解説します。
今回は脊髄ショックについての問題ですね。
まず脊髄ショックとはなんでしょうか👇
重度の頸髄損傷では受傷直後から損傷レベル以下の運動,知覚機能はもとより脊髄反射も全て消失する。これを脊髄ショックspinal shockと呼ぶ。〜日本救急医学会 医学用語 解説集より〜
脊髄ショックの症状はどんなものがあるのでしょうか?
ざっくり言うと、損傷高位以下の機能が全停止するようなものです。なので運動および感覚障害(感覚脱失)、弛緩性麻痺、筋緊張低下、脊髄反射の消失、尿閉 etc
上記にあげたような症状を認めます。
脊髄ショックは数週間後から徐々に回復し、筋緊張が亢進し、痙性麻痺へと移行していきますが、個人差もあります。
では選択肢を見ていきましょう。
1.温痛覚解離
知覚解離や解離性知覚障害とも言われます。温度覚(温かい、冷たい)と痛覚(外側脊髄視床路)が障害されているが、触覚や深部感覚(後索路)が障害されない病態のことを言います。脊髄損傷であれば中心性頸髄損傷により灰白質が障害されると温痛覚解離が起こる可能性があります。
*脊髄横断面上の機能局在と伝導路は大事なのでまた今度動画を作成します。
2.腱反射亢進
脊髄反射は一過性に消失しますので、亢進しません。
3.痙性四肢麻痺
弛緩性麻痺を呈します。
4.自律神経過反射
自律神経過反射は脊髄ショックとは関係がありません。Th6以上の脊髄損傷者が損傷高位以下での何らかの侵害刺激により発作性の高血圧等の重篤な症状を呈することを言います。
5.肛門括約筋反射消失
このような排泄関係の反射が消失します。
答えは 5.肛門括約筋反射消失 となります
YouTubeでも解説してます👇
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