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脊髄損傷と巻き爪

脊髄損傷による日常生活の変化は、目に見えるものから見落とされがちなものまで多岐にわたります。その中でも「巻き爪」は、放置すると痛みや感染症の原因になり、さらには健康全体に影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切な理解と対策を講じることで、そのリスクを大きく減らすことが可能です。
この文章では、巻き爪の基礎知識から脊髄損傷後に特に注意すべきポイント、そして具体的な予防策まで、分かりやすく解説します。

1. 巻き爪が起こる原因

巻き爪は、爪の縁が内側に巻き込むように曲がり、周囲の皮膚に食い込む状態を指します。この状態は、痛みや炎症、感染症を引き起こすことがあります。巻き爪は、爪に加わる力のバランスが崩れることで起こります。爪が横から強く圧迫されたり、逆に爪が下から受ける力が弱くなったりすると、爪の端が内側に向かって巻いていきます。原因としては、以下のような要素が挙げられます
• 爪を深く切りすぎている 深爪
• 靴の圧迫や摩擦
• 足指への負荷や外傷(負荷が足りない場合も)
• 遺伝的な要素や爪の形状
• サイズが合っていない靴やストッキングを履くことで爪に圧迫がかかる
• 外反母趾などの足変形
• 扁平足などの足変形
• 足のむくみ
• 爪白癬(爪の水虫)
• 遺伝的要因

2. 脊髄損傷によってなぜ巻き爪が起こるのか?

脊髄損傷患者では、以下の理由で巻き爪が起こりやすくなります:
• 感覚障害: 足部の感覚が低下しているため、巻き爪が進行しても気づきにくい。
• 運動麻痺: 下肢の運動麻痺により立位や歩行が困難となり、爪が足底から受ける力が弱くなるため爪が巻いてくる
• 自己管理の難しさ: 爪のケアが自己では困難になる場合がある。

3. 脊髄損傷後の巻き爪がなぜ怖いのか?

巻き爪を放置すると、以下のリスクが高まります:
• 感染症: 爪が皮膚に食い込むことで傷口ができ、細菌感染の温床となる。最悪の場合、敗血症になってしまう可能性も。
• 褥瘡(じょくそう)リスクの増加: 巻き爪から褥瘡へと進展する可能性がある。
• 慢性化する炎症: 痛みを感じにくい場合でも、炎症が進行すると他の健康問題に波及する可能性がある。

4. 脊髄損傷後の巻き爪の予防や対策

巻き爪を予防・管理するための具体的な方法を以下にまとめます:
• 正しい爪の切り方を習慣化する: 深く切りすぎず、爪をまっすぐ切ることが重要です。これ意外と知られてないですが重要です。爪の縁に丸みを付けないように切るのがポイントです。
• 適切な靴選び: 足先に十分な余裕があり、締め付けが強すぎない靴を選びましょう。
• 定期的な足部の観察: 巻き爪の兆候や炎症がないかを確認する習慣をつけましょう。
• 専門家への相談: もし巻き爪になりそうだったら皮膚科医、理学療法士やフットケア専門家の指導を受けることも重要です。巻き爪が進行している場合は、速やかに皮膚科を受診しましょう。

5. まとめ

巻き爪は、放置すると大きな問題に発展する可能性があるものの、適切な対策を取ることで予防可能な問題です。特に脊髄損傷者にとっては、日常のケアや定期的なチェックが重要です。自分に合った方法を見つけて、健康な足部を維持していきましょう。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。この文章が皆さまの健康管理に少しでも役立てば幸いです。引き続き、一緒に知識を深めていきましょう。

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