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「intermission⑮」私にも経験があった“大雪の中の車列”
みなさま、この大寒波の中いかがお過ごしでしょうか。
まさかタイトルのような」場面に遭遇されている方はいらっしゃらないでしょうね?
数年前にひどい渋滞で大雪の中、車にとり残れていた方々を取材するニュースを見て、寒いし心細いしいつ解消されるともしれない渋滞の不安しかない状況に、まるで自分だったらと落ち着かないでいた記憶があります。
それで今回は気象庁と国土交通省が、経験値から早くから準備をされていたので、その時のようなひどい渋滞はあまり聞かなかったようですが、どうだったのでしょう?たいした事態になっていないことを祈ります。
(ちなみに、タイトル画像は記事の内容とは全く関係ありません。家族が雪山登山した時の写真です。)
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突然ですが私が高校の修学旅行に行った時期は、卒業式が終わった次の日。
(というか、私の高校時代と言ってもはてしなく前で、もちろん昭和だしバブルにもなってない時期です😅)
3月の上旬で、通常ならそろそろ春の兆しも感じられるような時期のはずでしたが、その年は珍しく3月の忘れ雪のような気象状況で、南の方に住んでいる私の地域でもどうやら留守中にけっこう雪が降ったらしいことは旅行から帰ってから家族に聞きました。
で、私が行った旅行先は奈良と京都方面でして、移動の初日と二日目の奈良ではお天気はほどよく寒いながらも晴れていました。
斑鳩村、春日大社、東大寺、大仏さま、薬師寺での住職の説法(当時面白おかしく話をする住職として有名な方でした)など見学も予定通り行われました。
ところがその夜宿に泊まっている中で、先生方から「雪が酷くなっている、もしかしたら明日の予定が狂ってしまう可能性がある」ことを生徒たちみんなに連絡がありました。
やだなあ…そんなことにならなければいいのに、と思っていましたが、奈良を出発してバスは一旦三重県の鈴鹿へ向かいました。
そこは、サーキットに宿泊施設、そして遊園地があるのです。
きっと先生方は、私たちを遊ばせてあげようと思ったのでしょうね。
しかし無情にもすでに夜のうちから雪が降り続き、観光バスで移動中の私たちはなかなか進まない渋滞に巻き込まれてしまいました。
もうこれは完全に今日の予定は丸つぶれ。
おまけにちょっと進んでは止まりを繰り返すバスの中で退屈の私たち。
トイレ休憩と遅くなった昼食のために、一番近いドライブインにバスは入っていきました。
きっとサーキットの中の食堂でおいしいご飯が待っていたのかもしれないけれど、細かい予定は知らない生徒たち。
ドライブインの食堂で思い思いのメニューを注文しました。
私は醤油ラーメンを食べてみたのですが、昔のドライブインの食事って言っちゃあ何だけどあまり美味しくないというか、今ほど「美味しいものを出さなきゃ!」という信念に基づいたものを出してくれる所って少なかったというか、本当に申し訳ないけれどきっと他のものは美味しかったのかもしれないけれど、同じラーメンを食べたクラスメイトと顔を見合わせて「あまり美味しくないね」と共感の確認をしたのでした。
つくづく残念です。
この思い出の方が強烈に残っているので、その日の晩御飯がどうだったかなんて全く覚えていないのでした。
そして宿泊先の鈴鹿サーキットに到着するまでは、おかげさまで雪が降ることはなかったのですが…。
スケジュールが丸つぶれになったことがあまりに残念に思ったのは先生方もきっと同じだったのかもしれません。
サーキット側と交渉してくださったのか、晩御飯を食べたあとのすでに暗くなった夜の遊園地を貸し切り状態で私たちに開放してくださったのです。
但し乗ることができるアトラクションは限られていましたので、あまり危険が伴わなさそうなもの、サーキットにある遊園地でゴーカートに乗らない手はないと、結構な人数はゴーカート乗り場へ行きました。
私もクラスメイトたちとともにゴーカートへ。
乗り方をレクチャーしてもらい、順番に発車!
なかなかみんな上手に順調に進んでいきましたが、なにやら前がだんだん詰まり気味になってきて、とうとう前のカートも私も含めた後ろのカートも止まってしまいました。
みんな「なぜ?なんで進まないの?」と疑問に思っているかな、後ろの友人にも話しかけてみましたが「ええ~~、まさかとは思うけどエンスト??」と言うので、それは早く解決してほしいと待っていました。
しかし、なかなか進む様子がありません。
夜だし、昨夜はやはり雪も降ったんだよね…と不安しかない寒い中待っていると、ついに降ってきました、雪が!
ええ~~!?まだ動かないの?雪が降り積もってきたよ~~!
「おお~~い!誰か先生呼んできてくれたぁ~?」
と怒鳴っている生徒もいます。
「いったいどうなってるんだよ!」
とイラついた感情をかくせない言葉を発する者もいます。
しんしんと降る雪は、私の上にもまわりの生徒たちにももちろん後ろの友人にも頭や学生コート(濃紺)の上に白いケープをかけてくれています。
寒さで震えるなか何分経ったでしょう、やっとのことで前のカートの列が動き出しました。
ほっと一安心です。もうこのまま夜じゅう動かないままで雪の中をカートに乗ったまま待っていなくちゃいけないのかなと、めちゃくちゃ不安でしたから。
今となっては、大人たちが生徒たちを雪の中に放っておくわけがないと判断できるのですが、まだまだ16歳の子どもです。
普段は一人前になったような気になっていましたが、いざ自分たちが非常事態の中に放り出されると、まともな考えが頭をめぐらないようです。
ゴールに到着した私たちが、渋滞してしまった原因を聞いたところによるとやはり誰かはわからないけれど、男子生徒の乗ったカートが途中故障して動かなくなったそうです。そして後続車もずらりとつながって待っていたこともあり、そのままにはしておけなかったのか故障車を修理してから進行開始となった模様。
(修理にちょっと時間がかかってしまったのは想定外だったのかしら?それにしても、体は冷え切ってしまったわよぉ~。)
きっとその後のお風呂はとっても気持ちが良かったのだろうと思いますが、何しろウン十年前のことですから、あまり細かく覚えていません。
やはり強烈なことだけが記憶の中に刷り込まれております。
というわけで、数年前の大雪の高速や国道の渋滞の状態に比べたら申し訳ない程度でしたが、確かに雪の中に待ちぼうけをくらったおはなしでした。
みなさま、特に南国にお住いの方々には慣れない雪道などもお気を付けくださいませ。
そして大雪が降った時の道路状況が酷いときは、無理なお出かけはお控えくださいね。