30年ぶりヨーロッパ旅行-その2-(オペラ鑑賞の夕べ)
10月末に退職して、11月にウィーンとプラハを旅してきました。学生時代の先輩が一緒です。
ウィーンの目抜き通りであるケルントナー通りを北へ進むと、シュテファン寺院の巨大な姿が目の前に現れます。1359年に完成したという建物の尖塔は高さ136.7メートル。30階建てのマンションの高さが100メートルですから、14世紀にどうすればこんな建造物を建てられたのか、想像もできません。
宮殿とは空気感の違う、煌びやかだけれど厳かな気持ちになる空間。
北塔にはエレベーターで上がることができます。後から無理やり作った業務用みたいな極小のエレベーターには、ガタイのいいエレベーターボーイが乗っていて昇降の操作をしてくれます。
屋上からの眺めは想像以上でした。周囲に高い建物がないのに驚きます。歴史的な景観の保護を徹底しているのでしょう。下界へ降りると日が傾き始めて、暗くなるにしたがって街のイルミネーションが輝き始めます。11月の上旬でしたが、ラッキーなことにクリスマス・シーズンが始まろうとしていました。
この日19時から国立歌劇場でオペラを鑑賞することになっています。オペラの前に食事をすることにしました。お店はオーバーラー。コンディトライ(店内飲食できるケーキ店)ですが、食事のメニューもあります。シーザーサラダやサーモンで軽めに済ませました。
そしていよいよ国立歌劇場へと向かいます。劇場の周囲には赤いコスチュームを着たスタッフがいて、当日券を売っているようでした。私たちは予めチケットを確保していたので、そのまま中に入りました。劇場内も宮殿ですか?という豪華さで、気分は上がりまくります。
クロークに上着と大きな荷物を預けて、いざ座席へ。雰囲気さえ味わえればいいかなと、最上階のバルコニー席を予約していました。上から客席全体が見渡せて素晴らしい景色です。各席の前には字幕が表示される小さなモニタが設置されています。日本語の字幕もあって大変助かりました。
演目は『マダム・バタフライ(蝶々夫人)』です。時差ぼけで寝てしまうかもと心配していましたが、そんなことは全くなく最後までしっかり鑑賞できました。思っていたより前衛的な要素を取り入れた舞台演出で面白かったです。けれど、やはり舞台はくさってもセンター。私の席からは上手側が見切れてしまって残念でした。数千円をケチらずにもっと良い席にすればよかった、と後悔しました。
オペラ鑑賞の後、マルタから飛んできてくれた学生時代の後輩と合流して、カフェ・モーツァルトで夜のコーヒーを。翌日から2日間は3人で観光することになります。