
30年ぶりヨーロッパ旅行-その7-(プラハ市民会館)
10月末に退職して、11月にウィーンとプラハを旅してきました。学生時代の先輩が一緒です。

プラハは東京なら2月のような気温。そして、今にも雨が降り出しそうな厚い雲が垂れ込める夕暮れ時。街中が豪華でキラキラしていたウィーンに慣れた目には、プラハの街並みはややくすんで映りました。

プラハの市民会館(Obecní dum)はチェコを代表するアールヌーヴォー様式の近代建築です。内部は見学ツアーに参加しないと見られないというので、日本からネット予約をしていきました。言語はチェコ語か英語しかなかったので英語のガイドです。

スメタナ・ホールは中規模のコンサート・ホールですが、壁の彫刻や細密なアイロンワーク、天井のステンドグラスが繊細な美しいホールでした。『のだめカンタービレ』のロケで使われたそうです。

ホール以外にもサロンや集会室のような部屋がいくつもあって、それぞれ雰囲気の違う意匠が素敵です。繊細なデザインと細工の中に、退廃的な気だるさも包んでいるように感じられました。グレートギャツビーを思い出します。20世紀初頭にここに集まっていた人たちが、どんな服を着てどんな話をしていたのか思いを馳せました。

市長の間はアルフォンス・ミュシャによる意匠です。壁の絵の保存状態がとてもよいので、古いものを見ている感じがしませんでした。

ガイドさん1名で参加者は20名ほど。所要時間は1時間弱。ツアー参加者しかいないので特別感がありました。ステンドグラスは昼の明かるい時間帯に見た方がきれいかと思いますが、それでも参加してよかったです。

市民会館の中には、レストランとカフェとビヤホールが入っています。私たちはこの日の夜、ここのレストランを予約していました。今回の旅で最も奮発した食事です。高級感しかない内装。

ここからはお料理写真をご覧ください。







垢抜けない料理が出てくるのではと勝手に思い込んでいましたが、最後のデザートを見ても分かる通り、盛り付けが素敵なフレンチ・ベースのチェコ料理でした。大満足。そして、この円安のご時世にあって納得できるお値段でした。

食事を終えてから、翌日のトラムのチケットを買うために駅に向かいました。ガイドブックに「トラムのチケットは車内では買えないので、事前に地下鉄の駅などで購入しておく」と書いてあったからです。凍えながら駅まで歩いてチケットを手に入れましたが、後からこれは徒労だったことが判明します。