普段着のアップグレードをしようと思う

予定がない日は家事がしやすいように、トレーナーにジーンズのような楽な恰好をすることが多い。掃除や炊事で汚れたって構わないような服装だ。買い物に出掛ける時も、冬ならその上に長いコートを着てしまえば中の粗末な服が見えないので都合がいい。

だが昨日は午後に予定があったので、朝から少しよそ行きの格好をした。よそ行きといってもオフィスカジュアル程度の、どこでコートを脱いでも恥ずかしくないぐらいの服だ。

朝、かかりつけのクリニックへ行った後、カフェに立ち寄ることにした。ずっと気になっていたカフェ。以前は時間にも気持ちにも余裕がなくて行く機会がなかったが、今はどちらの余裕もある。余裕。なんと良い響きだろう。

空気はピリッと冷たいがすっきりと晴れて、青い空とレンガのコントラストが美しい。この中にある八角塔というカフェはちょっとした映えスポットなのだが、開店したばかりの時間だったからか私以外の客はまだいなかった。

窓際の席に座りコーヒーを頼んで、持ってきた本を開く。ポットで供されたたっぷりのコーヒーは少し酸味を感じるタイプ。静かで落ち着くスペースで、1時間半ほどの読書を楽しむことができた。ここは良い場所だ。

何にも追われず心安らかに好きなことをする。離職して優雅な時間の費やし方ができるようになって嬉しい。こんな過ごし方を特別とか贅沢などと感じるのではなく、日常にしていきたい。

薄汚れたトレーナーにジーンズは作業はしやすいが、素敵な場所に行くのにはふさわしくない。気が向いたらすぐ外に出て行けるように、普段の服をもう少し小綺麗にしよう。そう思った。