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自分の視点の変化を感じた 藝大卒展

1月と2月は美術大学の卒業制作展いわゆる「卒展」の季節だ。1月19日までの花組祭りで、すっかり頭から抜け落ちていた。

2年前にふと思いついてT美大統合デザイン科の卒展に行った。若々しい感性で面白いと思う作品がある一方、やっつけ仕事が疑われるような稚拙なものもあり、文化祭的な感じで楽しんだ。

その翌年すなわち昨年は、東京藝術大学の卒展に行って驚いた。伝わってくる本気度が全然違うのだ。作品の完成度もすごく高い。作品ごとに思いもよらぬ方向へ連れていかれるのが面白く、さすが藝大!と、すっかり心を奪われた。

そんな体験があったので、藝大の卒展には毎年行こうと思っていたのに、危うく行きそびれるところだった。先日、子ども歌舞伎の練習を見学しに行って、ひょんなきっかけで思い出したからよかったものの。

今年度の藝大の卒展の日程は、1月28日から2月1日まで。私は昨日行ってきた。平日だというのに上野のお山は観光客でごった返している。特に西洋美術館は現在モネ展を開催しているので、入場待ちの列が延々場外までのびていた。

藝大の卒展は、大学美術館と学部の教室と東京都美術館で展示される。アートの鑑賞はなんだかんだで体力を消耗するので、元気なうちに見たいものから見たい。まずは大学構内をまわる。院生の作品が展示されるのが大学美術館を含めた大学構内なのだ。

昨年と今年とで視点が違っているのを感じる。まさか自分が仕事を辞めて、たまに絵を描いたりしているだなんて、1年前には想像もしていなかった。自分で絵を描いてみると、人の描いた絵の見え方が変わる。

今年度の作品は全体として無難にまとまっている印象だった。昨年受けた強烈なインパクトを今年もと期待しすぎたのだろうか。もちろんレベルは高いのだが、尖った感じがしなかった。私の見方が変わったことと関わるのかどうかは分からない。また来年も観に行ってどう感じるのか確かめたい。

それにしてもよく歩いた。東京都美術館の学部生の作品もすべて見て回った。パンツにスニーカーで行ったが、足腰にまだずっしりと疲れが残っている。

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