タブーな話題
髪を切る時に、美容師と話をするのを面倒に感じるタイプの人間です。誰とでも当たり障りのない話が楽しくできる人を羨ましく思っています。それはさておき。
先日、髪を切りに行った時のこと。私は行きつけの美容室を持たないので、美容師を指名しません。担当してくれたのは、初めて当たった男性の美容師でした。私は目の前にあるタブレットを熱心に眺めていたのですが、それでも話しかけてきました。
どっち派なのかな?
その話題というのがワクチンの話です。新しく認可されたレプリコンワクチンを接種した人の入店や診療を拒否する美容室や歯科クリニックが増えていると言います。この美容師が、それがバカバカしいと言いたいのか、それとも入店拒否派なのかが判らなくて、そのまま聞き流していました。
その美容師が言うには、そのワクチンを打つと周囲の人にまで悪いものが伝播するのだそうです。「歯医者さんもそう言っているんですよ」というフレーズを聞いて、この話を信じているらしいことが明らかになったので、「あらあら恐いですね」とだけ言っておきました。医科と歯科の差異は気にしないようです。
入店する人がそのワクチンを打ったか打ってないかは自己申告だろうし、電車で隣に座った人が打っていることもあるだろうし、そもそもどうやって周囲に伝播するんだ?と、彼の説明を聞いただけでは私は全く理解できませんでしたけど、反ワクチン派の人たちは、そういう話がすっと腑に落ちるんでしょう。
政治と宗教と野球の話題に加えて
陰謀論みたいなのが好きな人は昔から一定数いたと思いますが、コロナ禍のワクチン問題で一気に表面化したように感じます。人柄や思想や知的レベルが計り知れるような気がして、今やワクチンの話は気安くしてはいけないのではないでしょうか。パーティーで政治と宗教と野球の話をしない、というマナーがありますけれど、そのNGな話題にワクチンの話も入れた方がいいと思います。
ちなみにその美容師が次に話し始めたのは、新しい自民党総裁の話題でした。こいつ接客業向いてないな…。ワクチンが良い悪いという話ではなく、美容院で客にする話題は選びましょう、という話でした。