間一髪で脱出
3割が高ストレス
労働者が自身のメンタルヘルスの状態を知って、メンタル不調を未然に防ぐことと、職場環境の改善につなげることを目的に、50人以上の事業場で実施が義務化されている「ストレスチェック制度」。私の職場の従業員は50人未満ですが、毎年実施してきました。
社内の衛生委員である私は、ストレスチェックの実施者(産業カウンセラー)からその結果を報告される立場にあります。今年の結果が急に悪化したことに驚いた担当のカウンセラーが、速報値を送ってきました。これまでは全体で1名いるかいないかだった高ストレス者が、なんと今年は全体の30%に増えました。年代別では40代の50%が高ストレス者に該当するというのです。
あからさま
ずっと高ストレス者が少なくて優秀だと言われていた職場だったのに、こんなに急激に悪化した原因は明らかです。去年、管理職が2人とも退職したこと以外には考えられません。スタッフに過剰な負荷がかからないように調整していた2人です。管理監督する人がいなくなって、現場は右往左往しながら、それでもなんとか前に進んでいると思っていました。でも、やはり皆の中にストレスが蓄積していたのです。これほど如実に数字に表れるとは…。
もちろんストレスチェックの結果は社員には公表していません。私とトップが共有しているだけです。ですが、今週もまた退職を希望する人が出ました。この結果を知った上で社内を見渡すと、オフィスの空気がじわーっと重苦しく感じます。ここを見限る人がこの先も1人2人と増えていき、ドミノ倒しのように組織が崩壊していくのでしょうか。
求心力を失って、職場が徐々にバラバラになっていく、負のループに入った気がします。私はいいタイミングで脱出できたのかもしれません。
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