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「能力が低い人は自己評価が高い」という悲しい現象

ダニング・クルーガー効果といって、「能力の低い人ほど自分に自信を持っており、本物の実力を持つ人ほど自分の能力に疑いを持つ」という現象がある。

悲しい。また、タチが悪い。

この現象が生じる理由の仮説はいろいろあるが、どれも納得するものばかりだ。

・能力の低い人は、自分の能力を測定する能力も低い・自信があるから能力開発をしなくなる・当たり前水準が低く、大したことないのに過大評価・傷つきたくないから自己肯定しようとするなど

結構、難儀な現象だ。いろいろ実害がある。

例えば、人事評価に目標管理制度などを入れている企業は多いが、そこで大抵の場合、自己評価欄があるのでかなり注意が必要となる。

能力の低い(従って成果が低い)人が過大な自己評価をつけた時に、それに最終評価が引きずられる可能性があるからだ。

本人が「自分はS評価だ!」と自信満々につけているのを、「いやいやいやあなたはどう考えてもCですよ」とはなかなかいいにくい。

だからといって自己評価欄をなくすと、評価フィードバックの前にどれくらい認識ギャップがあるかわからないので評価側に心の準備ができない。ギャップが大きければ、ファクト集めや論理構築など、説明コストが高くつく。

そして、ネガティヴフィードバックが苦手な日本人は、過大な自己評価の無能な人にぼちぼちの点数をつけてしまい、評価にメリハリがなくなっていく。

そこは上司が頑張らねばならぬところ(気持ちは痛いほどわかるが…)。

ダニング・クルーガー効果。嫌な現象だ。

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