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『ほったらかし遺言』、それ大丈夫?【前編】

そもそもですが、あなたが作った遺言書、内容覚えてますか?
その遺言書って、あなたに万が一のことが起きたとき、今の想いを実行できますか?


そんな質問をぶつけると、ほとんどの方は過去作った遺言書の内容をあまり覚えていません💦
だから、どういう状況になったら遺言書を作り直さないといけないか、をよく理解していない人も多いかと思います。

今回はそんな『ほったらかし遺言』について前編後編に分けてお伝えしたいと思います。

▼目次
■ 『ほったらかし』になる理由
① 面倒くさい
② 1回作ったら、「もう作り直せない」と思っ ている
③ またお金がかかるのがイヤ!
④ 継続的にあなたの相続を診てくれる人がいない
■ まとめ


■ 『ほったらかし』になる理由

① 面倒くさい

ご自身で進んで遺言書を作ろうという方は残念ながらまだまだ少数派です。

子供や奥さんに言われたから。
このままだと揉めそうだから。
顧問税理士に言われたから・・・。

作成する理由は様々でしょうが、積極的なケースは少ないでしょう。
しかも、法律的なこと、税金のこと、不動産のこと、家族のこと
たくさんの事を考えて、覚えて、専門家と話し合いを重ねて作成することになりますから、結構面倒です。
時間もかかると思います。
それをまたやろう、とは遺言マニアではない限り思わないのもしょうがないことです。

②1回作ったら「もう作り直せない」と思っている

この誤解、結構あると思います。なぜなら、この質問、いまだに良く受けますから💦

遺言書は2回でも、3回でも、作り直すことが出来ます。
基本的には後に作った遺言書が有効ですが、色々トラブルになることもあるので、「前回作った遺言書を撤回する」旨を記載しておくとベターです。


③またお金がかかるのがイヤ!

ネットで遺言書の作成報酬を検索すると、士業ごと、地域性などで異なりますが、概ね定型文でも最低10万円以上の相場感です。
(その人の想い、税金、法律上の懸念を網羅し、相続発生を見据えて、その目的に沿う確率の高い遺言書を作ろうと思ったら、その価格では難しいと思います。)

さらに、公証人役場を通じて公正証書遺言にすると、さらに公証人役場の手数料もかかります。
そうすると、概ね全部で30万円以上は最低でもかかる

再度遺言書を作り直そうと思うと、どうしてもその費用をまた捻出するのは嫌だな、と思われることもよく理解できます。

一度お金をかけて専門家に作ってもらっているので自分の相続後の手続きも問題ないだろう、という気持ちもあって、改めて見直すことまではしないのかもしれません。

④あなたの相続を継続して診てくれる人がいない

相続の仕事は『スポット仕事』の傾向があります。
これは、依頼するほうもそのつもりの方が多いし、受任する専門家側もその認識の方が多いのかもしれません。

例えば、税理士の仕事で考えてみましょう。
会計業務、決算業務、法人の節税、設備投資の相談、資金繰りなど、法人顧問の仕事は常に毎日・毎月・毎年、『継続』していきますよね。
お客様の関心が会社の経営にある訳ですから、仕事を依頼するお客様も受任する税理士も、継続的に変化する状況の中で逐一情報交換することが多いかと思います。

一方、相続はお客様が毎日・毎年考える、という性質ではない。
どちらかというと、一時的に深く考えることはあっても、ある程度の方向性や具体策を打ってしまえば、その後は相続発生まで待つイメージだと思います。

また、士業側(特に、遺言書だけ作成依頼を受けた士業の場合)も、お客様の依頼があって遺言書を作成した後、その後の依頼者の想いの変化、家族関係の変化、法律の変化に対して、継続的にフォローするケースも少ない(そんな契約になっていない)と思います。

依頼者・受任者双方が、相続業務を「スポット業務」と認識している。
そんな事情も『ほったらかし遺言』を生んでいる一つの要因だと思います。

■まとめ

前編では、一度作った遺言書がほったらかしになる理由を述べていきました。

もちろん、最初作った遺言書が当初の目的を達成するものであれば何ら問題はありません。
ただし、その目的を達成することができなくなる事象や変化が起こったら・・・。

次回はその点につきお話したいと思います!


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