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  • アートワールドへの招待

    アートってなに?アート業界ってどういう感じなの?と気になっている人に、アートの入門になるような情報を発信していきます!

  • 批評・論考・体験談

    美術展への批評、芸術概念への論考、体験談経験談などをまとめたノートです。

最近の記事

なぜ現代アートは難しいのか

こんにちは、アーティスト・インディペンデントキュレーターとして活動している半田颯哉です。 現代アートは難しい。 と思ったこと、一度はあるのではないでしょうか。 実は、現代アートはとても簡単です。みなさんは既に素敵な感性を持っています。現代アートはみなさんが持つその感性で自由に感じ取ればいいのです。今回はそんな感性によるアートの楽しみ方を解説してきます。 と、説明しているものがあれば、その内容は信用してはいけません。 今回は、なぜ現代アートは難しいのか、そしてどのように楽

    • 展示の無意味の意味 - 「奇想の系譜」展を観て -

      この展示をやる意義はなにか。展示を開催するという行為には、如何なるレベルにせよ、その意義が問われていると思うべきであろう。 例えば、特定の作家の仕事をまとめ、プレゼンテーションする。例えば、ある年代の作品を集め、その傾向を明らかにする。例えば、これまで美術史の主流に取り上げられていなかった作家の作品をピックアップする。 東京都美術館で開催中の「奇想の系譜」展はいったいその展示で何を示したかったのだろうか。 伊藤若冲・曾我蕭白の作品の強さ展示は若冲・蕭白の作品で始まる。作品の

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      • 展示はメッセージであれ -水戸芸術館「中谷芙二子 霧の抵抗」展を観て-

        展示はメッセージである。 故に、複数の場面を連ねて一つのストーリーを組み上げる演劇のように、或いはレディメイドの組み合わせで一つの意味を投げかけるアート作品のように、作品・資料・キャプションを組み合わせて「伝えたいこと」を構成する。展示とは、キュレーターによる創作物である、といってしまうと多少過言かもしれないが、少なくともその要素は否定できない。 水戸芸術館「霧の抵抗 中谷芙二子」展は、そんなメッセージの「伝わらない」展示だった。 中谷が自然から離れていく人間社会について

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        • 演劇の純表現 -石原朋香『見てをりぬ』を観て-

          石原朋香の『見てをりぬ』は30分程度の演劇作品である。東京芸術大学取手キャンパスで開催中のWIP展での初演を鑑賞したところ、文章をしたためるべき衝動に駆られたので本稿を走り書きする。 文学の文学的表現にフォーカスしたジャンルを純文学と呼ぶならば、演劇の演劇的表現を活かしたジャンルは純演劇と呼ぶことが出来るだろうか。本作は演劇表現の美しさを持ち、しかしそれでいて難解でない構成を持つ。演劇の持つ諸要素を活用しながら自己批判的なのみでない作品として成立している。 本作は石原の祖父母

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          比較資料の不足した美術館展示 ~森美術館「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」を観て~

          ※本文は授業レポートとして作成したものに加筆修正したものです。 作品展概略本展は日本の建築が持つ特徴を9要素に分類し、それに沿った建築作品をそれぞれ設計資料・模型で展示を行ったものである。本展おいて提示された要素は、確かに展示資料と照らし合わせ納得しながら見ていけるものであった。展示資料にその要素は存在していたと言える。しかし、「建築の日本が持つ遺伝子である」と確信を持てる展示であったとは言えない。 文化比較をするということ日本の建築、また日本人建築家の設計の特徴を論じる

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          比較資料の不足した美術館展示 ~森美術館「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」を観て~

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          日本の芸術の歩みを押し留めているもの

          結論から言えば、やはりそれは教育なのかな、という話をします。 「日本の今年の美術展ガイド」的な本を読んだことがありますか? 私はなかったのですが、この度、呉線の電車待ちの際に立ち読みにて初めて目を通しました。 こういうのですね。 日本画、仏像、バロック、印象派……キュビズム、フォービズムもあったかな? 即ち、ページを捲っていき、ふと気付きます。 具象芸術しか載っていない。 今回は、1週間ほど広島に帰省していくつか美術展に足を運んで感じたことと、上述のその本を捲って得た

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          日本の芸術の歩みを押し留めているもの

          「装飾は流転する」、また装飾は流転させる

          先日、東京都庭園美術館で開催中の「装飾は流転する」展に足を運んできた。ちなみに2/25までなのでお早めに。 http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/171118-180225_decoration.html いくつか考えたこと、感じたことを提起を兼ねて投稿したい。 アール・デコ 詳しい説明はインターネット検索に譲るとして、アール・ヌーヴォーに続いて現れたアール・デコは、目黒にある東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)の建築様式に見

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          「装飾は流転する」、また装飾は流転させる

          東京藝大・先端芸術表現の修士受験記

          もともと学部時代、所謂「美大」「芸大」に所属していなかった私ですが、そんなガッチガチの専門的教育機関への憧れは強く、割と早い段階から大学院受験を視野に入れていました。 当初の照準は東京芸術大学大学院映像研究科アニメーション専攻(か、映画専攻)。学部を持たないこの研究科は「行きたいところは大学院からしかなかったから」という言い訳にもぴったりです。まぁ継続的にやる気を発揮するのが苦手な私はアニメーションを作る手間がかけられず、結局学部2年までは実写映像を作っていた訳です。今思えば

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          神田明神の節分祭で豆を撒いてきた話

          インターネットを探してもあんまり情報がなかったので、1万5千円払って下々の者に豆を撒いて悦に浸る体験をしてきた話をしたいと思います。 最近のお金持ちは絵画や彫刻ではなく体験型アートを買って消えてしまう無形作品にお金を使うという究極の贅沢をしている、みたいな話を聞いたことがあるので私も体験を買う贅沢に身を投じました。 新年を迎えました。 今年の7月に24歳となる私は、このお正月に数えで25歳になりました。本厄です。年男・年女というものは12年に一度巡ってきますが、高校時代から

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          神田明神の節分祭で豆を撒いてきた話

          演劇的な映像 ー演劇記録の可能性、あるいは演劇の拡張の試案ー

          (本論考は映像芸術論レポート課題として提出したものを加筆修正したものです。) 演劇作品の記録映像は、大抵観客席側に固定されたカメラにより撮影されている。変化があったとしても、映像がアップになるか、多少撮影の角度が変わる程度である。 撮影や編集の手間を考えると仕方のないことであるが、その映像は文法が複雑化した現代の映像作品と比較すると、まだまだ発展の余地があるように思う。 リュミエール兄弟の撮影した映像は、定点から人々の営みを写し取ったものだった。映像の歴史はそこから始まり、

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          演劇的な映像 ー演劇記録の可能性、あるいは演劇の拡張の試案ー