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映画「化け猫あんずちゃん」最高の夏映画だ!劇場へ急げ!※ネタバレなし感想文

 化け猫あんずちゃんを見た。


 妖怪と人間、その境いが曖昧な世界で唯一はっきりしている生と死。その境界を越えた少女とあんずちゃんの物語である。 死んだお母さんに会いにあの世に行く。。。と聞くとよくあるファンタジーとして収納されそうだが、物語全体に漂うメロウな空気感と、現実にはないないのはずなのにゆるいおじさんあるあるが詰め込まれたあんずちゃんというキャラクターが唯一無二の世界観を作っている。

https://youtu.be/BhF63BAHtmU?si=dJqxXp_sWwtEyl6X

 とりまく人間や妖怪のおじさんおばさんの妙なリアリティに導かれて入り込む地獄。なんというか、このあたりから見たことのない(予想できない)展開の嵐で、笑ったり泣いたり物凄く忙しかった。実の父が突然地獄の天井から現れては消えていく様子を「死にかけの微妙なところ」などと言う貧乏神。危機的状況なのに大人(妖怪含め)が全員のんびりしていて笑ってしまう。最後の生き返ったお母さんとの別れの場面では、二人の寂しさと悲しみが真に迫ってきて、涙を拭う手が震えるほどだった。そこらへんにいそうな人間模様をリアルに描くのだから、人情話が直で響くに決まっているのであった。


私は、この病気を発症してから魂がだんだん子どものようになってしまったことを自覚している。
難しいことは考えられないし、すぐ泣いたり怒ったりしてしまう。
しかし、この作品はそんな人にこそ薦めたいなと思う。子どもの目線で描かれ、淋しい状況に置かれながらも目の前で起きることを喜び、怒り、受け入れていく様子が描かれる。
透明な川の水をコップで掬って掲げたら、空の色になるような、そんな魂を持つ人にこそ見るべき映画だと思うのだ。
これが夏休みに放映されて本当に良かった。子どもも大人も楽しめる夏映画だ。

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