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日本で永住権取得を目指す外国人に教えてあげたい!必ずしも「永住権」取得が正解ではない場合

日本で暮らす外国人にとって永住「永住資格を取得することはゴール」のように思われているかもしれません。

永住資格さえとってしまえば、面倒なビザの更新申請は不要です!

また、有事のときに備えて永住資格をとっておきたいという外国人も多くいます。最近ですと、コロナ鍋においては、就労資格の外国人が日本への再入国がかなわず家族や恋人と離れ離れの生活を余儀なくされる中、永住者は入国が許されていました。まさにコロナは永住資格のパワーを思い知らされた出来事でした。

さらに昨今、優秀な人材の誘致策として、年収や学歴等の要件を満たした外国人には、最短1年の滞在で永住申請を可能にする政策がとられています。このような背景から日本に永住する意思はないものの「取れるんだから、とりあえず取っておこう~」と思う方も結構いらっしゃいます。

でも、永住申請に踏み切る前に少し待っていただきたいのです!

実は、日本の永住権を取得することが税制の観点からは必ずしも正解ではない場合が割と頻繁にあるのです。

税制面からの落とし穴

背景として、「国外転出時課税制度」(いわゆる出国税)という制度について説明したいと思います。
出国税とは、1億円以上の有価証券を持つ「居住者」である個人が国外に転出する場合、その有価証券の含み益に対して所得税が課税される制度です。

これは、実際に資産を売却していないにも関わらず売却した場合に得ることになる利益について、あらかじめ日本が課税するというものです。この制度は富裕層が租税回避のためにシンガポール等の税率の低い国に流出する事態の対策として導入された制度です。

具体的な対象者は以下のように整理されます。

a) 出国時において、総額1億円以上の特定の金融資産を保有している個人

b) 日本出国直前の10年間のうち、5年以上にわたり住所または居所を日本国内に有していた者

ここで重要な点は、上の条件にあてはまっている場合であっても、就労資格を持って滞在する外国人は出国税の対象とはならないということです。
一方で、永住資格や、日本人の配偶者といった、日本で長く居住することを前提とした在留資格(入管法別表第二の在留資格)の場合は、出国税の対象となります。

前述したように、今、高度人材の方は比較的容易に永住資格がとれるようになっていることから、駐在でやってきた外国人が「せっかくだから永住権をとってしまおう」と永住申請した場合、帰国時に出国税の対象となる可能性があるということです。

超円安の今、珍しくない1億円以上の金融資産を持つ人は珍しくない


円安の今、サラリーマンであっても1億円以上の金融資産を持つ人は珍しくありません。富裕層というわけではなくても、グローバル企業で一定以上の地位にある人の場合、円換算すると金融資産1億円以上になる人はそこそこいます。

永住資格に変更をして5年が経過し、そろそろ自分の国に戻ろうかと、国外転出手続きをした時、初めて出国税の対象となることに気が付くというのは恐ろしすぎます。ぜひ、永住申請をする前に一歩立ち止まって、それが本当に最善の策なのかを考えて頂きたいと思います。

もし周りに永住取得したい外国人のお友達がいる場合、ビザの専門家だけではなく、税理士にも話を聞いてみたほうが良いかも、とアドバイス頂ければと思います



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