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進路を考える高校生に送った言葉➋

おさらい


高校1年生に向けておこなった卒業生講演の言葉から
その日、その月、その1年をどう
「納得できる生き方にしたらいいのか」というお話

1つ目のテーマ: 「選択肢=選ぶ余地・余白」を残しておく

高2の時の衝撃


私自身は、みなさんと同じ高校1年生の時、まだ将来のことなんて漠然としていて「大学にいくんだろうな。受験やだなー」くらいにしか思っていませんでした。でも、忘れもしない高2の夏に仲が良かった友達とか部活の友達とかが相次いで3人、アメリカに留学するって言いだしたんです。ぼーっとして過ごしていた私には衝撃で、ものすごーく焦りました。「将来のこととかめっちゃ考えてる!やりたいこととかあるんだ!」「毎日一緒に登下校したり、部活や体育祭にいそしんでいたはずなのに、いつの間にか先越されている!」と。そして、やりたいことが定まらない自分をやばい!と思いました。

でも、それと同時に、じゃあ私は今何になりたいとか決められるのか?と考えてみても、決められなかったんです。あこがれるものとかはあったりしても、「これ!」って感じはしなくて、そんな感覚で将来決めるなんてリスク高すぎる・・・と怖気づいてしまったんです。今この年になって思います。たかだか17.8で将来決められないよね、普通だよ・・・と。

私はその時、読書が好きで、エッセイから小説からいろんなものを読んでいて、何気なくその著者の経歴を見ていたんです。そうしたらものすごーくばらばらで、作家だから文学部なわけではないし、タレントでも理系の学部出ていたり、先生たちも教育学部じゃなかったり、学部=職業って縛りってそもそもないんじゃないか?と。だったらなるべく総合大学色の強い、いろんな人のいる大学に行こう。興味のあることが学べれば学部はこれと絞らなくても大丈夫、とかなり幅を広げて、いったら将来を決めるのをその当時の感覚では少し先延ばしにして、そこそこ名の知れた総合大学色の強い私立大学に進学しました。結果として、私はそれがめっちゃよかった、と今では思っています

目標に厳しい条件と具体性を持たせること=自分に100点がつけられない結果に

なぜかというと、やっぱり17‐18の時に想像したのの何十倍もの選択肢から選ぶことができたから。

でも今考えてみたらその時考えられる将来ってものすごーく範囲が狭いんです。そのせまーい視野の中で「これをやりたい!」って決めてしまって、それにこだわってしまったら、それをやることが自分にとっての100点になってしまう。ということは100点満点とるの、めっちゃ難しくなるんです。

もちろん決めてしまうのが悪いというわけじゃないし、どうしてもそれがいい!という熱量をかけられるものがあるなら、それは本当にすばらしいんです。ただ、自分を今追い込んで職業を決めなくても大丈夫、ということがポイントです。進路=学部でも職業でもない。

「この一つの選択肢しか無理」「この職業じゃなきゃいや」とか、条件が限定的になればなるほど、自分を変に追い込みます。そして現に、それにものすごくこだわって、「挫折ばかりの人生だ」と嘆く人をよく見ます。納得からは程遠くなります。でもそのこだわりの元を正すと思い込みだったり、決めてしまったから…という理由だったりすることがあって、もったいないなぁと思います。

西原理恵子さんの話

これは、西原理恵子さんが著書でおっしゃっていたのですが、若いころはイラスト仕事なら何でもやったそうなんですね。それこそいかがわしい雑誌の挿絵でも。でも彼女が言うには「絵をかいて生活できたらいいなー」という漠然とした目標にしておいてよかった。絵を描く職業につけた、やったー!と思えた。周りの予備校の子たちは「ムサビの〇〇科にいって、〇〇の雑誌の絵を描きたい」とか具体的な目標があって素晴らしかったけど、自分に課した目標の条件が厳しすぎて、全部自分に×つけて幸せじゃなさそうだった、と。

まとめ

まずは
1)視野を広げること。
2)選択肢を持つこと。
3)自分が何ができたら幸せか、何は譲れないかというところから逆算して、本当にかなえたいこと・本当の目標だけを核にして他を臨機応変にすることをお勧めします。この「余白・余地」の大事さは今に限らず、いつまでも大事かなと思います

これって、とは言え、お医者様とか弁護士さんとか学部で結構決まる職業もあるから絶対とは言えないな、と思っていたんです。でも私、同僚に、脱サラしてお医者様になった人を2人、弁護士さんになった人を1人しってるんですよね。みんな大学はもともと全然関係ない学部なんです。もちろん大変な道ですが・・・結局いつでも進路って変更できるな、選択肢って増え続けるんだな、と思っています。もちろんハードルは上がりますけどね。

次回予告

2つ目のテーマは
自分の居場所・役割をいくつか持っておくことです。
出産後、産休から復帰した理由やワーママとしてのメリットを交えてお話しできればと思います。


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