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6年ぶりに0歳児育児をしてみて驚いた3つの進化

わが家に第4子が誕生してから早いものでもう7ヶ月が経つ。4人目の子育てとはいえ、6年ぶり(第3子とは6歳離れている)だったので半ば「浦島太郎状態」だったのだが、6年ぶりの「0歳児育児」を約半年ほど経験してみて一番の感想は「この6年で子育てをとりまく環境がめちゃくちゃ進歩している!」ということだ。

日経COMEMOでは、原則ビジネス系のネタを取り上げることがほとんどだが、今回はあえてプライベートに振り切った「子育てネタ」で行こうと思う。

ベビーテックの進化が止まらない

まず驚いたのが、テクノロジーの進化だ。Baby(赤ちゃん)とTech(テクノロジー)を組み合わせた「ベビーテック」という造語があるが、6年前では考えられなかったほどベビーテックが日常生活に普及している。

上記の記事にも紹介されている「ainennne(あいねんね)」は、赤ちゃんの泣き声をAIで解析して、「ねむい」「おなかがすいた」「怒っている」など泣いている理由を診断・表示してくれる「泣き声診断アルゴリズム」を搭載しているデバイス。

知人にプレゼントいただき、筆者もこのデバイスをガッツリ活用させてもらったが、「ねむい」と表示されたら寝かしつける、「おなかがすいた」と出たらミルクをあげるなど、泣いている理由に合った対応ができれば泣き止むので、「何をやっても泣き止まない!!つらい!!」という状態に陥るのを防げてとても便利なデバイスだ。
(経験学習を重ねていくうちに、デバイスに頼らずとも”勘”で泣いている理由がわかるようになるものの、その境地に至るまでのプロセスがしんどい、と感じているパパママは少なくないはず。「泣き声診断」があることで、このプロセスを一気に短縮できるのはありがたい)

徹底的に科学された「寝かしつけの極意」

また、6年前に比べて「寝かしつけ」のテクニックがかなり普及している点にも驚かされた。「ねんねトレーニング(通称、ねんトレ)」も、6年前の時点で存在こそしていたものの、実践しているパパママはごく一部で、今ほど一般には普及していなかった。

愛波文さんの『ママと赤ちゃんのぐっすり本』の刊行をきっかけに、2018年頃からSNSやメディアでねんトレが取り上げられる機会が増え、2011年に刊行された元祖ねんトレ本『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』も再ブレイクを果たし、筆者の周囲でもねんトレを実践しているパパママがここ3〜4年で一気に増えた。

ご多分にもれず、わが家でもねんトレを実践・導入しているのだが、つい先日、日経新聞でとても興味深いニュースを発見した。

理化学研究所の黒田公美チームリーダーらの国際研究チームは、激しく泣く赤ちゃんを抱っこして5分間歩くと泣きやみ、寝付きやすくなることを発見したと発表した。「背中スイッチ」として知られる、赤ちゃんをベッドに移すと眠りから覚めてしまう現象を防ぐには、寝た後も抱っこを8分ほど続けるとよいことも分かった。赤ちゃんが寝付きにくいときや、外出先で泣きやんでほしいときに活用できるという。

出典:日本経済新聞

「なんて社会的意義のある素晴らしい研究なんだ…!」と感激して理化学研究所にお布施をしたい気持ちに包まれつつ、さらに詳細を知るべく理化学研究所のサイトにアクセス。

この実験では、抱っこの有無×動きの有無の4パターンでそれぞれ検証したところ、「激しく泣いていた赤ちゃんは、抱っこして歩いたとき、あるいはベビーカーに乗せて前後に動かしたときに有意に泣きやみましたが、座ったままの抱っこでは泣きやまない」
「また、おとなしいあるいは少しだけぐずっている赤ちゃんは、抱っこして歩く、ベビーカーを動かすなど、動いているときは変化がありませんでしたが、座ったままの抱っこやベッドに置くなど動いていないときは、むしろ泣き出してしまう」ことがわかったそう。

出典:理化学研究所HP

また「激しく泣いていた赤ちゃんに、30秒間のタスクで最も効果のあった抱っこ歩きを5分間行うと、全員が泣きやみ、45.5%が寝てしまいました。さらに、18.2%の赤ちゃんは歩くのをやめたときには起きていましたが、それから1分間以内に寝ました。従って、抱っこして5分間歩くことは、赤ちゃんの泣きやみに効果が高いだけではなく、約半数の赤ちゃんを昼間でも寝かしつける作用がある」とのこと。

出典:理化学研究所HP

寝かしつけのゴールは、「抱っこしたまま寝かせる」ことではない。せっかく抱っこしてぐっすり寝ていたとしても、ベッドや布団に置いた瞬間に泣き出してしまっては元の木阿弥。いわゆる「背中スイッチ」現象だ。

この背中スイッチ現象を回避するためにどうすれば良いのか?この積年の悩みに応えるべく、「赤ちゃんが起きてしまったグループと眠り続けていたグループで、親の寝かせ方に違いがなかったか」を調べたところ、以下の事実が明らかになった。

二つのグループではっきり違っていた点は、ベッドに置く前の赤ちゃんが寝ていた時間の長さでした。起きてしまった赤ちゃんは眠り始めてから平均3分間、寝続けていた赤ちゃんは平均8分間経ってベッドに置かれていました。寝続けていた赤ちゃんであっても、眠ってから5分間以内に置かれた場合には、置く途中で目を開けたり声を出したりと、かなり起きかけていたことも分かりました。実は、眠ってすぐの睡眠は「ステージ1睡眠」と呼ばれ、まだ眠りが浅くちょっとした物音でも起きてしまうことが睡眠の研究で明らかになっています。このステージ1睡眠の長さが、赤ちゃんでは平均で8分間程度だったのです。このことから、赤ちゃんが眠り始めてから5~8分間ほど待つと、より深い睡眠の段階に入るため、赤ちゃんが起きにくいと考えられます。

出典:理化学研究所HP

ということで、赤ちゃんが眠たくてグズっていた場合、

ステップ①:抱っこしながら約5分歩く
ステップ②:眠ってから約8分抱っこしたまま待つ
ステップ③:ベッドや布団に寝かせる

というステップで寝かしつけると、「背中スイッチ」に邪魔されることなくスムーズに寝かしつけが完了するそうな。

「まぁるい抱っこ」とのコンボでさらに効果アップ!

お布施したくなるほど素晴らしい理化学研究所の研究結果を見るやいなや、わが家でも早速実践してみることに。

上記とは別に、第4子の首が座った頃から実践しているメソッドとして「まぁるい抱っこ」というものがある。

*具体的な方法については以下の動画を参照されたい。

この動画を初めてみたとき「いやいや、こんな単純な方法で泣き止むわけないでしょう」と心のなかで突っ込んでしまったのだが、物は試しと思い実践してみたところ、かなりの高確率で泣き止んだので、それ以来グズった時は必ずこの「まぁるい抱っこ」であやすようにしている。

そう、理化学研究所の「5分抱っこ歩き+8分座り抱っこ」の法則と、この「まぁるい抱っこ」メソッドを組み合わせたら最高なのでは?!という仮説を立ててみたのだ。

この最強コンボを実践し続けて早1ヶ月半経つが、眠くてグズっている場合は8〜9割ほどの確率でグッスリ寝てくれるようになった。なんと素晴らしいメソッドなのだ。

おまけ:赤ちゃん泣き止みソングの新定番

最後におまけとして、「赤ちゃん泣き止みソング」の新定番を紹介したい。
自宅で家事や仕事に追われている時や外出時に赤ちゃんがグズって泣き出した時に「赤ちゃんが泣き止む曲」に助けを求めたパパママは多いのではないか。ご多分に漏れず、筆者もその1人である。

「赤ちゃんのヒットソングベスト10」という調査によれば、2位の「アンパンマンマーチ」にダブルスコアの大差をつけて1位に輝いたのは、SNSでも話題になったあの曲。そう、反町隆史の「POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~」だ。

このように「なぜか赤ちゃんが泣き止む特徴を持った曲」は以前から存在するが、2021年12月、大学教授や作曲家といった専門家がタッグを組み、赤ちゃんが泣き止むことを目的とした楽曲・動画"赤ちゃん泣き止み動画"が公開された。

平均で3、4回試した実験では96.7%の赤ちゃんが必ず1回は泣きやむという結果が出ている

出典:ムロツヨシらキャストが視聴、ボス・ベイビー特製“赤ちゃん泣き止み動画”(ナタリー映画)

というのだから驚きの実験結果だ。公開から一年近くたった今もジワジワと再生回数を伸ばし続け、2022年10月現在の再生回数は965万回と1000万回を突破する勢いだ。

何を隠そう、わが家でもこの動画にはお世話になりまくっていて、第4子はこの動画を流せば百発百中で泣き止む。百発百中だ。ものすごい威力である。

子育てにおいて、YouTubeなどの動画コンテンツにばかり頼る(依存する)のは良くないが、要所要所で動画の力を借りるのは決して悪いことではない。用法用量を守って正しく活用しよう。

まとめ

以上、
①ベビーテックの進化がスゴイ
②寝かしつけが科学されていてスゴい
③凄まじい泣き止みソングが爆誕していてスゴい

と、6年ぶりに0歳児の子育てをしてみて驚いた3つの進化を紹介してみた。

まだ筆者が知らない驚くべき子育てメソッド、子育てアイテムがきっとあるはずなので、ぜひコメント欄やツイートなどで教えてもらえると嬉しい。

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