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#2【少子化シリーズ】『草食男子』と『女子のメス化」が同時進行している??

1.【筆者のコメント】

『草食系男子(※1)が少子化の原因だ!』と(例によって極悪な)女性誌が一つのトレンドとして曲解する様に特集を組んだ、らしい。

(前の記事『専業主婦になりたい若い女性ってどの位いるの?』の続きと思って読んでください。)


★草食男子の名付け親である「深澤真紀」氏が、下記に言い訳を言っています。

しかし、一回定着した言葉や概念は変えられません。

【深澤真紀の言い訳】

「草食男子」は私が2006年に名付け、2009年に流行語大賞トップテンをとった言葉である。「いまどきの若者は、草食男子で情けない」などとネガティブな意味で広まってしまったが、本来は若者をほめる意味だったので、当事者の若者には本当に申し訳ないと思っている。

上の世代と違って、「もてないわけではないが恋愛やセックスにがつがつしない男性」「家族や友人を大事にして、女性と友人関係がもてる男性」という意味だったのだ。

この言葉が反対の意味で流行してしまった背景には、女性誌から「女性がもてないのは草食男子のせい?」と書かれたことと、2008年のリーマンショックのあと「車が売れない」原因の「犯人」扱いされて、経済界で大きく話題になってしまったためなのだ。

ではまず、今の若者は恋愛やセックスに興味がないのだろうか。「交際中の異性なし過去最多」というニュースが話題になるが、その元となっている「出生動向基本調査」で、若者が恋愛していたイメージの強いバブル期の1987年と2015年のデータを比べると、「恋人として交際している異性がいる」19.4%→19.7%と、ほとんど変わらない。同じ調査で「性経験なし」は1987年43.1%→2015年42%と変わらないので、今の若者が昔に比べて恋愛やセックスをしていないわけではない。

「少子化は草食男子のせいではない」のだ。
諸外国を見ても、男性が積極的に見えるイタリアや韓国でも少子化がすすんでいる。日本やこれらの国の共通点は、家族に対する保守的な価値観が残っていて、さらに若者や女性の経済状況の悪化がある。フランスや北欧などの少子化が改善した国は、さまざまな家族の価値観を認め、若者や女性に奨学金や雇用など、多様なチャンスを与えているのだ。

「若者は内向きで海外に興味がない」というニュースもあるが、これもアメリカに留学する若者が減っただけで、さまざまな国に留学しているのだ。つまり全体の問題は、「若者の○○離れ」ではなく、「お金の若者離れ」なのだ。ほかにも若者の犯罪率や交通事故率は減り続けているなど、よいニュースが多いのだが、なぜか若者に関してはネガティブなニュースが流れがちである。

たしかに若者とはどんな時代でも評判が悪いもので、団塊世代や私たちバブル世代もそうだった。しかしその世代は経済状況の後押しがあって、社会に居場所を与えられたのに、今の若者にはそのチャンスが少ない。私たち上の世代は、若者を「情けない」と否定するのでなく、彼らのよさや多様性を認め、チャンスを与え、支えていくことが大事なのだ。

※1:知恵蔵 「草食系」の解説
恋愛に対して受動的で、物欲や出世欲も薄い、温厚なオトコの子のこと。
シラケ世代(団塊世代の少し後)のジュニアで、20代~30代前半の男子に見られる傾向を草食動物の性質になぞらえた表現。バブル崩壊後の長期不況期に少年時代を過ごした彼らは、背伸びすることなく、あらゆることに淡泊。異性に対しては積極性に欠け、消費活動では、オレ様的な見えより、ボク的な心地よさや好みを優先する。エコ教育やジェンダー教育を受けてきた彼らはロハスな生活を好み、異性の友人や家族との関係も良好である。なかでも母親と仲良し。企業・団体の中にあっても、常識的な協調性は持ち合わせている。ただし、自分が傷つきそう、相手を傷つけそうなことには敏感で、無用なあつれきや競争は避け、異なる考え方や生き方にはいっさい干渉しない。対義語は「肉食系」。
同世代の生態を紹介したウエブ版「日経ビジネスONLINE」の連載企画(2006年)で、コラムニストの深澤真紀が「肉食系には理解しにくい、据え膳(ぜん)を食わぬ若い男」を「草食男子」と命名したのが最初。仕事にも消極的な草食系部下に不満をもつ中高年上司や、淡泊な草食系カレシにいらだちを抱く同世代「アラサー肉食系女子たち」の関心を集めた。08年には、女性ファッション誌が、「草食系男子の攻略法」を特集してマスコミの話題に。肉食が当たり前だったオヤジ世代のあいだでは、他の先進国には見られないこうした草食化を、飽和大国日本の「内向き志向」と重ねて憂(うれ)う向きがあるが、森岡正博『草食系男子の恋愛学』、牛窪恵『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』など、草食系男子を肯定的にとらえた論評に共感する声は少なくない。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

深澤真紀さん/獨協大学特任教授・コラムニスト

1967年東京生まれ。複数の出版社で編集者をつとめ、1998年企画会社タクト・プランニングを設立、代表取締役社長に就任、現職。日本文藝家協会会員。著書に『ダメをみがく』(津村記久子との対談、集英社文庫)など。

「草食男子」の名付け親 深澤真紀さん ※12006年、日経ビジネスオンラインで「草食男子」・「肉食女子」を命名、(『草食男子世代――平成男子図鑑』光文社知恵の森文庫収録)、2009年流行語大賞トップテン受賞。

ウィキペディア(Wikipedia)

深澤は当初、「草食男子」とは、「恋愛やセックスに「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々としている」「彼らは、異性の友人はおろか、異性の親友もいて、大事な存在。女子というものが、恋愛やセックスの対象だけではないことを知っている」と書いたが、女性に無縁で無気力な若者を指すという正反対の意味で流行した。 流行語大賞授賞式では「草食男子については世界中から取材を受けていて、彼らのような存在は日本だけに生まれたのではないようだ。
(草食男子は)評判の悪い部分があるが、私自身は、この難しい時代を「よりよく」より「ほどよく」生きていこうとする、古くて新しい男らしさを持った存在が草食男子だと思っており、面白くてすてきな存在として名前をつけた」 と述べた。

命名者の意図と反対の意味で流通するようになった理由を、マスコミや広告代理店が車が売れない理由を「草食男子が物を買わないせいだ」と取り上げた事などを上げ、また「今の日本は安全で、若者は人も殺さない、交通事故はおこさない、薬物もしない。でもそうすると新聞には「若者の草食化」って書かれる」「若者が内向きと言うが、実際には留学生数は増えていて、アメリカに行く留学生が減っているだけ。若者をたたくことでガス抜きしたいのだろう」」とし、結果として「上の世代や女性に対して、ていのいい若者や男性叩きの言葉を与えてしまったと反省している」 と語っている。

ウィキペディア(Wikipedia)


■ 草食系男子はなぜ生まれたか?

地球環境や経済まで変える新世代     
牛窪恵  (マーケティングライター)


■「ヒゲ」に「居酒屋」……ジワジワ浸食中の“オス化女子”とは?

マイナビウーマン  2014.03.07


【参考】筆者の過去の記事

★少子化・婚姻率低下・晩婚化・非婚化の一つの要因である『草食系男子が増加』している原因。

★【少子化シリーズ】専業主婦になりたい若い女性ってどの位いるの?

【筆者のコメント】

『草食系男子』を問題にするなら、それを生み出した根底の構造について追及しないと、根本的な問題解決にはならない。
又、『女子のオス化』、筆者は『アマゾネス化』と名付けたが、その根本原因は何なのか?

類推するに、その親の価値観や行動原理に問題が有ると思う。



続く


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