人は人につく。そして、人が人を呼ぶ。
皆さん、よく顔を出す行きつけのお店ってありますか?
なんでも良いですよ。
喫茶店やカフェ、飲み屋、ご飯屋さんなどなど。
ちなみに僕でいうと北見の街中にある北見のソウルフード目丼発祥のお店である板門店さん、少し外れの訓子府町にある温泉保養センターのサウナ、旭川にあるシーシャカムイさんなどなど。
よく顔を出す理由って、大体はそこにいる店員さんやマスター、お店の雰囲気とか、「その場にいることで幸せになれる人や場所である」という理由が多いのかなと思います。
このオホーツク地域で、農家さんの行きつけのお店になっている会社さんがあります。
さて今回は、美幌にある農機具を取り扱う株式会社髙橋農機(https://takahashi-nouki.com/)の専務取締役、髙橋滉平さんとお酒の席をご一緒させていただきました!
「◯◯◯が日本一」なことが多い髙橋農機さん。
そのワケと魅力について聞いてみました。
実は農機具リテラシーがかなり高いオホーツク地方
僕個人の勝手な偏見でしたが、オホーツク地方ってまだまだ人口規模的にも、いわば「ローカル」と言われるようなポジションって全体的にインプットするリテラシーや情報収集力とかって本州とかと比べて弱いのかな?なんて思っていたのですが、実はオホーツクは北海道の中でも、そして全国的にみても農家さんの農機具や情報についてのリテラシーがとても高いとのこと。
農家さんの方から「こんなの出たらしいんだけどどう思う?」だったり、
「ここのメーカーで出たやつ仕入れてみたいんだけど、お願いできる?」といったお話なども結構来るそう。すごいですよね。
「農家はある程度の農機具があれば、そういうことに気づこうとしなくても成り立ってしまう業種でもある。新しいものを取り入れようとしなくても生活できてしまう。だから一般的な農家さんは今手元にある農機具と技術でできるから新しいものに目を向けなくても問題ない。」
なるほどな、と。
確かに農家さんは先代から続いて家族で受け継いでいくことがほとんどだから、これまでのやり方を変える必要もなく、技術やノウハウをそのまま引き継ぐことのほうが多いイメージはありました。
ただそんな中でもオホーツクの農家さんは現状の作業するうえでの悩みや課題を改善・解決していきたいという人が多いそうで、実際にオホーツクで取り入れた農機具ややり方を道内の他の地域の農家さんや本州の農家さんに「こういうやり方ありますよ、地元ではこんなことやってますね」と話すと、「そんな素晴らしいものがあったのか、、」「そんな画期的なこと本州では全然聞かない」ととてもびっくりされるらしいです。
オホーツクすげぇ。
営業を全くしない髙橋農機さん。どうやって取引を決めているのか?
話を聞いていると、全く営業活動をしていないという髙橋さん。
けれど冒頭でもあったように、例えばAというメーカーの商品の販売数が日本一、Bというメーカーも販売数が日本一、そういえばCも、あ、Dも、あr、、(以下略)
と、このオホーツクの美幌町という小さな町でもたくさんの「日本一」を持っているんです。場所ってほんとに関係ないですね。
「じゃあどうやってその規模の販売数や発注が来るんですか?」
と尋ねると、
「いやいや、農家さんと日常会話してるくらいだよ」と。
いやいやいや!そんなすごい話がありますか!
もう少し詳しく話を聞いてみると、
「普段の何気ない会話からぽっと出てくる「ココ悩んでてさ〜」とか「こういうこと今起こってて」みないな合図を感じて「あぁ、こういうの(器具)ありますけどね〜」って会話の中で話していると、「あーこれいいね、じゃこれで!」って決まっていくそう。
関係性ができてくると、電話がかかってきてその1本の電話で「あれ発注しておいて〜!」「おけっす〜」の流れで数百万の農機具の発注が決まったりと、なんとトンデモ規格外な。笑
もちろん一つ一つの農機具の金額は安くなく、農業専用の機械なのでなんなら高級車買うくらいの値段がするものも。ものすごい信頼関係。
どうやって先のトレンドや新しい農機具を仕入れたりする判断をしているのか?
常に新商品やメーカーの発表にも耳を傾けている髙橋さん。時には海外のイベントまで足を運ぶことも。
どうやってその情報を集めて、それを実際に仕入れて販売までできているのか?
「まずはお客さん(農家さん)の反応。それと農家さん側から「これどう思う?」って聞きに来てくれることもある。あとはほとんど勘ですね。笑」
「勘って、経験の上に基づいて判断するものだから、合ってると思えば合ってるんだと思うんですよね。もし勘が外れていたら、それは自分の経験不足だと思う。」
勘って、僕もあるときから結構自分の勘を信じるようになったんですが、確かに髙橋さんの仰るとおり結構勘って当たってて、その判断もこれまでの自分の経験からきてるってのもすごく納得でした。
「僕(髙橋)って策略とかを練るのが苦手で。小手先でなんかするとか全然できなくて。めっちゃ不器用なんですよね。笑
だからできるカードを全部出して、その上で意見を聞いてから考えることが多いかな。自分からしてみたら器用に提案ができないから先に全部を提示しているのもあるけど、お客さんからするとすごく真摯に対応してくれてる人だと思われてると思う」
確かに、北映でも松竹梅のプランをクライアントに提案することがありますが、一つのプランで提案するよりもいくつかのパターンがある中から選べるほうがクライアントも判断がすごくしやすくなると思います。そして「選べる」ということの安心感もあるのかなと。
「知り合いには、農家さんからめちゃめちゃ慕われている人もいて。後者の方は、自分から話しかけなくてもあっちの方から情報や相談をしてくれる。だから自ずと買いたい商品もわかるし、信頼があるから買ってもらえる。
最後はやっぱり「人」なんですよね。結局。
良くも悪くも嘘をつかないのがいちばん大事なんじゃないかな。信用を得るために。
「この人だから買いたい」と思ってもらえるためには、「人としてどうあるべきか」のほうが最終的には技術やスキルよりも大事なんじゃないかって思うんです。9:1くらいで大事だと思う。」
農家さんは特に横のコミュニティがすごいので、人が人を呼ぶように、農家さんが農家さんを呼んで、気がつけば会社の応接間は農家さん同士のコミュニティの場に。笑
今やオフィスは農家さんの「休憩場」。農家さんの3rd Placeになりたい。
「お客さんと私たちの3rd Placeが髙橋農機でありたい。」
美幌町内よりも町外からわざわざ顔を出しにきてお話して帰る、そんな人の方が割合が高いだとか。
で、帰り際に「あ、そうだあれほしかったんだ」と、ポンっと発注して帰っていく。すごいオフィスだなぁ。。
元々、農機具の中古販売店だった髙橋農機さん。
中古商品は現物を見て判断しないと買ってもらえるかが変わるため、
「どうやったら会社に来たいと思ってもらえるだろうか?」と試行錯誤。
会社でしか展示してないものがあったり、来ないとわからない面白いものを置いてみたり。「来てもらう」ための工夫をたくさんしていたそう。
そうして用意して出来上がったのは農家さんにとっての「第三の休憩場」とそこに行くと他の農家さんと繋がれるコミュニティ。そして自分の悩みを解決してくれる髙橋農機。
最近は農家さんから全く関係のないYouTuberのライブを観にきたっていうライブTシャツを着た自撮り写真が送られてきたり笑
それくらい信頼関係が築けているそうです。
結局常に「VS 社長や決裁権のある人」だから、そこが難しい反面信頼を得られると話がダイレクトに進んでいく。
北映も、基本的なやり取りは決裁権のある方との打ち合わせや提案が多いので、
「人や北映というチームにどれだけ信頼と魅力を感じてもらえるか」
ここをすごくお話を聞きながら考えていました。
北映もいわしくらぶも、誰かにとってのそういう場所でありたいなぁ。
今後の髙橋さんの展望は?
「最初は「農機具屋さん、ダセェな。」と思ってたけど、「逆に、かっこいいと思われるようになればその業界で一番になれるんじゃないか?」そう思ってからは「日本を代表する農機具屋さんって、髙橋農機さんですよね」って言われるように頑張りたいし、もっとこの業界の面白さを伝えていきたい。祖父から父へ、そして自分にとここまで築いてもらった環境と伝統も大事にしていきたい。
そして農家さんからの「ありがとう」をたくさんもらうために、日常の常連さんとのやり取り一つ一つも大切にしていきたいね。でもそれだけだと現状から進まないから、もう一歩二歩先を考えていかないといけない。
一歩二歩先を行こうとすると、今よりももっと地元にいる時間が減って、あちこち飛び回ることが増えると思うけど、でもそんな中でも地元の人との接点や関係性を守っていきながら、目標実現に向けて頑張りたい。
最近はGPS関連の事業で、宇宙ビジネスなんか気になってるね。笑 」
掲げていることや考えていること、髙橋さんらしい人へのあたたかさと熱い気持ちを聞くことができて、「だから髙橋さんにお願いしたい人がたくさんいるんだな」と、身を持って体感しました。それと個人的には髙橋さんのスタイルがもしかしたら自分に合うかも?なんて思ったり。
まずはトライ。
「人」としてどうあれるかが、今後の自分の成長を左右する
「人という字はぁ、人と人が支え合ってできてるんですぅ」
なんて某金八先生は言っていましたが、
普段の生活も、
仕事も、
友達との関係も、
パートナーとの関係も(いないけど)、
「誰かのために、自分が何をするか」
「周囲の人やクライアントを自分はどう支えていくのか、何ができるのか、どうあるべきなのか」
そして「キスケだからお願いしたいんだ」って言ってもらえるように、
今日も明日も、コツコツ「人」と「技術」を磨いていきたいと思います。
髙橋さん、また飲みましょう🍺
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