童謡で鍛える大人からの相対音感 03(相対音感は誰にでもある)
『かえるの合唱』で試す皆さんの相対音感
こんにちは!
「音感」というと、みなさん「私には音感ないから。。。」と思いがちですが、
「相対音感」なら実は誰もが自然に持っている感覚なのです。
例えば、『導入編』でも取り上げている「かえるの合唱」で試してみましょう。
この曲の最初の2小節は「ドーレーミーファー/ミーレードー」と、「ド」から上昇して「ファ」、下降してまた「ド」に戻ってくるメロディーになっています。
それでは今からピアノで2パターン弾くので、どちらがそのメロディーに当てはまるか、正解を当ててみてください。
メロディーa
メロディーb
分かりましたか?
自信がないようならば何度か繰り返し聞いてみてくださいね。
正解は。。。
メロディーaでした!
それぞれのメロディを譜面に起こすと以下のようになります。
この青線で囲った部分の音の動きがそれぞれ異なります。
それではひとつずつ見ていきましょう。
まず正解のメロディーaを、譜面上でもう一度見てみましょう。
1小節目で「ドーレーミーファー」と上昇し、2小節目で「ミーレードー」と下降しています。
これを鍵盤の動きで表すと、
「ド」からド(↗全音)レ(↗全音)ミ(↗半音)ファと上昇し、
(※ファから↘半音)ミ(↘全音)レ(↘全音)ドと下降して「ド」に戻ってきています。
では、メロディーbはどうでしょう。
こちらもまず譜面から見てみましょう。
正解のメロディーaと違う点は、3番目と5番目に出てくる「ミ」の音が半音低い「ミb(フラット)」になっている点です。
鍵盤の動きで見てみましょう。
本来は2番目から3番目が、「レ」から全音上がって「ミ」になるはずが、半音しか上がっておらず「ミb」になっています。
また2小節目の下降時も本来「ミ」であるべき音が半音低い「ミb」になっているため違和感を感じさせます。
このように半音違うだけで、メロディーはかなり異なった印象になります。
世界で一番有名な旋律「ドレミファソラシド」で感じる相対音感
それでは次に曲ではなく、誰もが知っているある旋律を例に取り上げてみましょう。
その旋律とは、おそらく日本(世界?)でも一番聴きなじみのあるフレーズ
「ドレミファソラシド」です。
さっそく、ピアノで2つのメロディを弾いてみますので、どちらが「ドレミファソラシド」に当てはまるのか、聞き比べてみてください。
メロディーa
メロディーb
分かりましたか?
正解は。。。
メロディーbでした!!
それぞれのメロディーを譜面で表すと以下のようになります。
正解のメロディーbに対して、メロディーaは3音目の「ミ」と7音目の「シ」がそれぞれ半音低く、「ミb(フラット)」と「シb(フラット)」になっています。
そのため頭の中で想像した「ドレミファソラシド」とは違和感を感じる方が多かったのではないでしょうか。
あらためて鍵盤上でも見てみると。。。
正解のメロディーbは
「ド(全音)レ(全音)ミ(半音)ファ(全音)ソ(全音)ラ(全音)シ(半音)ド」
という間隔で、白い鍵盤のみを構成音にして上昇していきます。
メロディーaも、「ド」から1オクターブ上の「ド」に上昇する点は同じなものの、全音・半音の並び順が異なり、途中で黒い鍵盤が構成音に入っています。
このことから多くの人は、メロディーbを「ドレミファソラシド」として、
そして、メロディーaを馴染みのない旋律として認識します。
ちなみにこのメロディーaですが短音階(マイナー・スケール)と呼ばれるものです。
バラードや演歌などにも多用される旋律ですので、少し暗い響きが感じられると思います。
「半音が聞き分けられる」ことはイコール「相対音感がある」こと
例え専門的な音楽教育を受けてなくても、半音の違いをほとんどの人は聞き取れます。
そしてこの「半音」が現代の音楽では、最小単位となります。
「半音」とはピアノで言えば、隣りあう鍵盤の音です
(※隣の鍵盤との間に黒鍵をはさんでいるのならば黒鍵盤、何もないのなら白鍵盤)。
そして半音×2つ分を「全音(もしくは1音)」と呼びます。
「ミ」と「ド」の間、「シ」と「ド」の間に黒鍵盤がないのが、ピアノの特徴的な構造です。
ギターの場合は、1フレットが半音間隔となり、2フレットで全音となります。
ほとんどの人が、ある程度の「(相対)音感」を自然に身につけていることを分かっていただけたでしょうか?
既に持っている「感じ取れる能力」を「言語化・記号化」することで、より実用性のある「(相対)音感」が育ちます。
もし興味があるようでしたら、以下の記事もご覧になってください!
それではみなさん、引き続き良き音楽人生を!
Enjoy Your Own Music Life!!
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