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サザエさんと枕草子

平成生まれの人にとって、昭和を感じられる
ものって何だろう。
やはりメディアだったりなのかな。
「Always 3丁目の夕日」とか
「男はつらいよ」みたいな映画は、
昭和の中頃を覗き見れる感じがする。
「ちびまる子ちゃん」も、80年代後半頃の
カルチャーが知れる資料的なマンガだと思うし。

ちなみに、私が昭和を感じたマンガ…それは
「サザエさん」と「いじわるばあさん」だった。
路線バスに車掌がいたり、改札に切符を切る鋏を持つ駅員がいたり、今では見られない光景が描かれていたりする。
今は もう耳にすることのない「光化学スモッグ」「メートルが上がる」などの言葉も、この作品で
初めて知った。

私達が江戸時代を覗き見出来るツールは、
浮世絵や川柳、豆腐百珍のような書物だし、
清少納言や紫式部のおかげで、平安時代の暮らしや価値観を少しばかり知ることが出来る。
でも、清少納言や江戸庶民は そんなつもりで
書いては いなかったはずで…

この国に佐藤さんしかいなくなるという
500年後の人々は、今の私らの暮らしを見て
何を思うんだろう。

「動物園て何?わざわざ街中に施設作って
生き物飼育してたの?」とか
「この車、ガソリンで走ってるの?マジ?」とか「スマホ手に持ってる~今はイメコンが当たり前
なのに」とか言われるんだろうなぁ。
でも…
テクノロジーの進化によって、生活スタイルが
どう変わっていこうとも、人間の本質は、
記録の残る時代から殆ど変わってはいない。
枕草子に書かれる「困ったさん」に、私らが
「いるいる~そういう人~」と共感するのが、
何よりの証拠だ。
だから、哀しいことだけど…
この先も欲に目が眩んで道を踏み外したり、
理不尽な理由で命を落とす人は無くならない。
いつになったら…なくなるのかな。