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ゆっくり歩いて帰ろう
小学1年生から中学3年生までの9年間は徒歩通だった。僕は人生でチャリ通を経験したことがない。え?っと思われるかもしれないが、幼稚園と高校はバスで通っていたので実際に自転車に乗って学校に通ったという経験がないのである。ちなみに大学も電車と徒歩。
中学生の頃、それは本当に懐かしい思い出だが、運動部に所属し、下校時間になると外は真っ暗になっていることがほとんどだった。それでも徒歩で帰宅するのが当たり前で、でも同級生のほとんどが車で迎えに来てもらっていたのだ。だけど僕は一人で歩いて帰った。雨の日も雪の日も。別に親が厳しかったというわけではない。実家は学校から近かったし、歩いて帰る時間が楽しかったので嫌ではなかった。
徒歩の魅力って何だろうって考えたらいくつかあるなと気づいた。1番はやはり色々な感情になるということだと思う。遅くなった夜は暗くて寒くて寂しいけれど、少し早く帰れた日は夕日が綺麗に見えて鼻歌を歌うなんてこともある。その時は楽しいとか面白いとか。そんな気持ちでいっぱいになることだってある。
夜遅くなる日は首から下げる懐中電灯(=ネックライト)をつけて歩くときもあった。少し怖いから。おばけが出てくるかもとかではなく、田舎なので動物が……これは突然出没するから防ぎようがないのだけれど。
1か月ほど前にnoteに金木犀が好きだという記事を書いた。それに関連させると、徒歩通は自然との出会いも盛んだった。金木犀の花が作るオレンジ色の絨毯を見つけたのも小学生の頃だった。ランドセルを背負っていた頃が懐かしいが、強風の日に傘を差して飛ばしてしまったり、突然飛び出してきた野良猫に驚いてその日からその道を通る時は警戒するようになったり、大きな犬に吠えられたり、リコーダーを吹きながら帰ったりしたこともあった。
そして大学生になった今も駅から歩いて帰るのが楽しい。一人暮らし2年目になったのでこの街も少しずつ慣れてきたが、まだまだ行ったことがない場所もあるし、気になる場所もある。
今日もゆっくり歩いて帰ろう。