Jamie Cullumが好きなんすよ。 〝Save your soul”

八百万の神が宿っている日本では、基本的にものを粗略に扱うことを良しとしない。それが高価なもの、もしくは芸術的なであればなおさらである。机の上に乗ってはいけません、椅子の上に足を乗せてはいけません…子供のころから何度その行儀の悪さを親に言われただろうと思い当たる人は多いんじゃないか。


 そういう意味ではJamie Cullumは(日本人から見ると)お行儀が悪い。やんちゃ坊主がそのまま成長したような英国のシンガーソングライターである彼は、作る曲歌う曲すべてその根底にはジャズスピリッツが流れている。んだが、やっぱり英国人。アウトプットされた途端、ジャズもどこかパンクになるんだなぁ。

 彼の有名なパフォーマンスとして、ピアノに乗るわ飛び降りるわ、叩きまくるわ、挙句の果てに爆破するわ、とてもピアニストとは思えない所業なのだ。使っているメーカーはYAMAHAが多い気がする。スタインウェイはあまり見たことがないな。もともと彼は、かつて「バックトゥザフューチャー」で世界的有名人となったマイケルJフォックスのような甘い顔とコンパクトな体型を持っており、ファッションもそこいらの大学生のようなTシャツとジーンズを着てステージに上がるもんだから、尚更「やんちゃ坊主」感が半端ない。


 一度日本のピアノの先生に、彼のパフォーマンスをどう思うか聞いてみたい。多分「ピアノは上手いがケシカラン」的な返答となるんじゃないかと思う(ただ現代音楽が専門の先生なら「そーゆーのもアリ」って答えるかも)。


 この曲はCMソングになったから、知っている人も多いだろう。この曲を収録したアルバム「MOMENTUM」自体、彼のキャリアの中で最もジャズテイストが薄い。そういう意味では取っつきやすい作品であり、だからこそ日本のCMソングになったんだろうな。

 この前のアルバムとこれと、2枚続けてポップアルバムを作ってストレスが溜まったのか(笑)、この次のアルバムではゴリゴリのジャズアルバムを出したところが彼らしい。

 そんなやんちゃ坊主なJamie Cullumも、ギョーカイの大先輩にはきちんとしているようで、バートバカラックの記念公演みたいなものに呼ばれて出演した時には、びしっとしたスーツ姿を着て、落ち着いた姿で「Make it easy on yourself」を歌った。このあたりが英国人のボンボンだなと思うのである。

 ちなみに。

 よく外国人スターのインタビューに日本語のアテレコや字幕がついたりするが、やんちゃ坊主な彼の一人称は、個人的には「オレ」よりも「僕」がすっきりはまると思う。

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