飛行機に乗るのは楽しい。~結論

夕景の津軽海峡が途切れると、眼下にだだっ広い北海道の原野が拡がる。新千歳行きは表向き「札幌行き」である。

たとえば福岡空港や那覇空港は、都市の至近に空港があるし、街並みを見下ろして飛行機は着陸へとアプローチしていく。

ところが「札幌行き」は、町などの姿すらまだ見えない原野へ向かって飛行機が高度をどんどん降ろしてゆき、原野の真ん中に「どすん」と音を立てて着陸する。

遅れに遅れた初フライト。

私は昼過ぎにつくはずだった北海道に、夕闇迫る時刻になってようやく飛行機から解放されたのだった。

こちらでも降機の際、GAから丁重な謝罪を受け、ゲートにはグランドスタッフが勢ぞろいしていた。

で、一人一人に封筒が手渡される。

(今はどうか知らないが)遅延によるジェット料金の返金がなされたのだ。多分、当時の5千円が封筒に入っていたと覚えている。

ちなみに。

北海道には鉄道も船も使って行ったことがあるが、身体的不自由度および時間的予測不能度が最も高いのは航空機であったが、最も世話焼き度が高かったのも航空機である。

いずれにしろ、返金された飛行機代の一部5千円。どう使ったかがさっぱり思い出せないのが残念であるが、その一部は絶対、復路で大量に買い込んだマルセイのバターサンドになっている。はずだ。

あ、なんか次は船旅の思い出を書きたくなってきたぞ。


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