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修学旅行は行っても行かなくても、特別な日にしたいと思う親心。
先日、ぴぃの担任の先生が家にやってきた。
緊急性がない配布物に関しては、私が放課後取りに行くのだが、用件は言わずに、これから行きますとだけ言ってきた。
暑い日だったので、クーラーの効いたリビングまで入ってもらうと、ぴぃが一気に喋り出した。
友達がやってくれたサプライズの話、私と出かけたショッピングの話、ワンコとの散歩や、最近よく体を動かしているんだってことを、立て続けに、部屋をぐるぐる回りながら先生に話していた。
先生は、そっかそっかと嬉しそうに聞いてくれていた。
ぴぃが一方的に話すだけで、先生の用件はなんなのかが気になっていると、
「今日はこれを・・・」
と言って、持っていたビニール袋の中から何かを出そうとした。
ただぴぃのおしゃべりはまだ止まっていなくて、先生もまた聞く体制に戻る。
なんとなく、ぴぃも喋り疲れて、同じ話を何度もし始めたので、「先生どうぞ」と言って、用件を促した。
「今日はね、ぴぃさんにこれを持ってきたの。」
と言って、ビニールの中から出してきたのは、修学旅行のしおりだった。
先生が説明しながら中身を見せてくれる。
クラスの子が描いた絵だったり、おすすめスポットの資料だったりと、なかなか内容的にも厚みのあるものだった。
ぴぃは、修学旅行先への興味より、お友達が描いた絵の方が気になり、「これは誰が描いたの?これは?」と先生に聞いていた。
先生は、ぴぃがしおりに興味を持ってくれたと思い、話を続けようと「ぴぃさん、ここはね・・・」と言いかけた時、
ぴぃは何も言わずにしおりを先生の手から受け取り、ダイニングテーブルに丁寧に置き、全く違う話をし始めた。
先生は、それ以上修学旅行の話をすることなく、しばらくぴぃとおしゃべりをして帰って行った。
ふむ、そうか。
自分の目で、ぴぃの修学旅行への興味を確かめに来てくれたのかもな。
少しでも興味があれば、と思って来てくれたのかもな。
ふとそんなことを思った。
しおりだけだったら、私が取りに行くこともできたんだから。
そして、ぴぃの反応は見ての通りだった。
ぴぃが1年ぶりに学校に行った時、「修学旅行への興味はあるけど自信がない、行ける気がしない」と言っていた。
時間が経つごとに「行きたい」わけじゃないぴぃの様子もわかっていた。
もし、私との二人旅になったとしても「行きたい」わけではないかもな。
誰にとっても修学旅行が特別行事だとは思わなくなっている。
でも、ぴぃが行かなかった場合の修学旅行2日間は、なんだか特別な日にしたいと思っちゃうんだよな。
何しようって思うと、ワクワクすらしちゃうんだよな。