不登校の娘が運動会に爪痕を残した、奇跡のような一日。
行ったな、行ったんだな、ちょっと前までは行けるとも思ってなかった。
側転はしたいけど、学校に行くきっかけが見つからないでいた。
1週間前にお友達からぴぃが描いた塗り絵が入賞して学校に飾られてるから見においでと連絡が来て、1ヶ月ぶりに登校する。
登校した日をきっかけに、お友達が休みの日を使ってスポフェスのダンスを教えてくれるようになった。
そこから当日までの間、スポフェスの練習時間だけは学校に行った。
あれよあれよで、当日を迎え、ぴぃはちゃんと早起きをして学校へ向かった。
昨晩は緊張で眠れないと、12時過ぎまで寝付けなかったぴぃ。
絶対行く!という決意表明は一度もなかったけど、行きたい!という意思だけはビンビンに伝わっていた。
当日までは期待しない、励まさない、頑張れと言わない、と思っていた私も、だいぶ期待したし、何度も心で励ましたし、何度も頑張れと念を送った。
行けなくてもと思いながら、ぴぃは行けると信じたい気持ちもあった。
目標を持って頑張るぴぃの姿が、久しぶりすぎて、ずっと眩しかった。
今日までの1週間が奇跡のようで、信じるという気持ちを言葉にすることが怖かった。
ぴぃは今日、みんなと一緒に大玉を転がし、徒競走を走り、創作ダンスを踊った。
ダンスでは、クラスメイトが作った大きな輪の中で、得意の側転を音楽に合わせてクルクルと回ってみせた。
ぴぃの不登校中の集大成と言ってもいい側転。
綺麗すぎて、神々しくて、動画を撮る手が大きく揺れた。
小学校最後の運動会。
またぴぃはしっかりと小学校に爪痕を残した。
今のぴぃには可能性と希望しか見えない。
私は、ぴぃにも見えるように照らすだけ。