学校に行っていない娘が学校に刻む爪痕。
夏休み前に、ぴぃの担任の先生がぴぃのために塗り絵を持ってきてくれた。
その塗り絵は小学校内で配られているもので、やってもやらなくてもいいけど、10月までに提出すると、校内評価を受けられると言うもの。
ぴぃが5年生の時、図工の授業で抽象画の作成があった。
本来であれば2ヶ月ほどかけて完成させるものを、奇跡的に学校に行けていた間のわずか3回の授業で完成させていた。
先生はその時のぴぃの絵の色使いをとっても気に入ってくれていて、塗り絵もぴぃなら楽しんで取り組んでくれると思って持ってきてくれたものだ。
塗り絵をもらったときのぴぃのリアクションはイマイチに見えたけど、先生が帰るとすぐに取り掛かった。
子供用のではなく、大人塗り絵にありそうな、細かいタッチで描かれた木の実の中にたたずむタヌキの塗り絵。
もらった瞬間に頭の中にイメージを膨らませていたらしい。
なるほど、それであのリアクション。
そして、一晩で完成させた。
一つのものを一色では塗らないのがぴぃらしさ。
木の実を全部揃えて塗らないのもぴぃらしさ。
グラデーションや濃淡にもこだわり素敵な塗り絵が完成した。
次の日先生に持っていくと、「やっぱりぴぃさんの色使いは素敵ですよね。」ととても喜んでくれた。
そんなことをすっかり忘れていた昨日の夜。
ぴぃの携帯にお友達からメールが来る。
「塗り絵、入賞おめでとう。」
5年生の時の絵も、学校に行かなくなってから入賞の知らせが届いた。
学校に行っていないぴぃ。
それでも爪痕をしっかり残すぴぃがかっこいい。
バンクシーみたいw