唯一登校刺激を許された存在。
久しぶりにぴぃのお友達が遊びにきた。
面倒見のいいDちゃん。部屋に入ってくるなり、
「ぴぃちゃん、学校来ない?来る??明日来る??」
と、笑えるほどダイレクトな登校刺激。
ぴぃは、「わかんない。」を繰り返す。
なんでも、席替えがあるらしく、今の席ではぴぃのお世話をたくさんできたけど、席が変わったらできなくなっちゃうってことを伝えたかったらしい。
Dちゃんが来てすぐに、学校の先生から連絡があった。
集金についての話と、「Dちゃんが今日行ってると思います。」と言っていたから、先生のおつかいで来てくれたのかもな、と思ってみる。
ぴぃは最近、お友達と唯一つながれるオンラインゲームを全くしなくなった。
アニメとiPadのリズムゲームに夢中なぴぃは、Dちゃんがいても自分のやりたいことに没頭している。
Dちゃん「今日もこれで遊んでたの?」
ぴぃ「そう、朝からアニメ見ながらリズムゲームしてた。」
Dちゃん「そうなんだね、ふふふふふ。」
・・・
Dちゃん「最近は英語やってる??」
ぴぃ「全然、今のブームは画像加工。」
Dちゃん「見せて、すごいすごい。」
・・・
一生懸命にぴぃにたくさん話題をふってくれているDちゃん。
ぴぃの一日の過ごし方を聞いても、それはダメだとか、これをやったほうがいいとかは絶対に言わない。
笑ってくれたり、褒めてくれたり。
今のぴぃをどんなふうに受け止めてくれてるんだろう。
たくさん話を聞いてくれるDちゃんに気を良くしたぴぃは、最近たくさんアニメイトに行っている話や、大好きなアニメの話をする。
2人だけの時間にしてやろうと、別室に移動すると2人の声だけが聞こえてきた。
ぴぃ「ぴぃ友達いないじゃん?アニメ好きの友達が欲しいんだ。アニメイトに一緒に行ってくれる友達が欲しいの!!」
Dちゃん「私も一緒に行くよ。アニメそんなに好きじゃなくて大丈夫かな?」
ぴぃ「アニメ好きじゃないとどうだろうね。」
・・・ぴぃよ、たぶんDちゃんは、「私がいるよ」ってことを言ってくれてるよ。
ぴぃを思ってくれてるお友達に向かって、「違うお友達が欲しい」って言ってる感じになってるよ。
それでもDちゃんは一生懸命にぴぃの話を聞いてくれている。
Dちゃん「ぴぃちゃんは人を楽しませるの好きだよね?楽しい人も好き?」
ぴぃ「楽しませるってのはわからないけど、楽しい人や面白い人は好きだな。」
そんな会話も聞こえた。
うぅぅ、ぴぃのいいところ見つけて、教えてくれてる。
ぴぃのことを知ろうとしてくれてる。
すごい、嬉しいな・・・・
ぴぃの苦手な登校刺激がなけりゃなんだよな・・・
と思わずにはいられなかった。
夜、ワンコの散歩に出た。
アイスを買ってもらえるコンビニコースなら一緒に行くと言ってぴぃもついてきた。
「明日学校行く。」
なんの前触れもなくぴぃは言った。
Dちゃんからの登校刺激はアリになったんだな。
って言うよりも、やっぱり友達っていいなって思ったんだろうな。
行く行かないはまた別のお話。