こんな本を読んだ②ー『ランサム』ジェイ・マキナニー
セックスもドラッグもロック(ンロール)も、今の世の中に依然として残っているものなのに、その三つが揃うと、急に時代が遡ってしまう気がするのはどうしてだろうか。ジェイ・マキナニーが本作を発表したのは1985年。デビュー作『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』の翌年のことである。
京都を舞台に、アメリカ人の主人公=ランサムが空手を学びながら英語講師として生計を立てる、日々の暮らしを描いている。まるで最初からウケを狙ったかのような設定はいただけないが、マキナニー自身が2年間日本で暮ら