【映画感想】屋根裏のラジャー

◯はじめに

これはネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意ください。









◯感想

スタジオポノック作品は『メアリと魔女の花』だけ観て、短編作品は観ていませんでした。
というのも、メアリを観て、ストレートに伝えたい事を伝えている作品と感じたので子ども向けに振り切っているのかな、と思ったからです。
今回は、劇場で流れる予告を見て、「イマジナリ(イマジナリーフレンド)」の題材に興味を持ったため楽しみにしていました。

イマジナリーフレンド

この「イマジナリーフレンド」という存在を知っている方は、日本人でどれくらいいるのでしょうか?
主観ですが、日本人には馴染みがない存在・言葉だと思っています。
私は子どもの頃、カートゥーンネットワークで『フォスターズ・ホーム』という海外アニメを見ていたため知っていました。(見てた人いるかな?)
『フォスターズ・ホーム』では、役目を終えたイマジナリーフレンド達の施設(大きい家)があって、そこで暮らすイマジナリーフレンド達と人間のドタバタコメディ作品です。たまにホロリときたりして、面白かったな、懐かしい。

…余談失礼いたしました。
私は「イマジナリーフレンド」という存在を知っていた為、スタジオポノックではどのように表現されるのかを楽しみにしていました。
予告を見た感じだと、ピクサー作品の『トイ・ストーリー』のように大人になるにつれて遊ばなくなる・ラジャーは忘れられていくストーリーかなと予想していました。
ですが、全く予想と違いましたね。
ラジャーが誕生した理由もしっかりありました。(これは後ほど)

ミスター・バンティング

予告を見た時、イッセー尾形さんの声で「ようこそ、イマジナリの世界へ」と言うセリフが印象的で、てっきりイッセー尾形さんの演じるキャラクターは物語の案内役となる存在と思っていました。
映画を観た方はわかると思いますが、これも予想が外れて完全なる悪役でしたね。
しかも、そのセリフは終盤の、イマジナリを認識できるようになったアマンダの母への言葉で、ここでこのセリフなのかと驚きました…。

バンティングが終始恐ろしくて、子ども達がトラウマにならないか心配しました。笑
私は『ゲド戦記』のクモを彷彿とさせる怖さを感じました。(私のトラウマキャラです、笑)

自分のイマジナリへの執着、一体彼に何があったんでしょうね…
最期にはその大事にしていたイマジナリを誤って食べて、不味いと文句を言ってしまうという悲しい結末。あのイマジナリちゃん(名前出てましたっけ?)のことを考えると苦しいです。

アマンダとラジャー

冒頭に、アマンダが「約束の虹」のことを言及していて、最後に虹を見てラジャーのことを思い出すのかなと予想していましたが、これも外れました。
観客へのミスリードか、アマンダの想像力を表現するためかな?

ラジャーの3つの約束(決め事?)と誕生理由の関係、名前の由来が泣けました。
ただの遊び相手じゃなくて、自分の悲しみを押し込める為に創り出したイマジナリだから、バンティングに狙われるほど特別なイマジナリだったんだと思います。

そして、ラストはラジャーと最後の冒険をするところで終わりました。"最後"とは、アマンダが悲しみを受け入れて成長することを示してると思いました。忘れられてしまって消えるのではなく、受け入れて決別する。これも予想とは外れて、とても良い終わり方でした。

◯さいごに

子どもも楽しめ、かつ、展開が読め過ぎず大人も楽しめる作品でした。
正直なところ、あまり期待はしていなかったのですが、良い意味で予想を裏切られ、メアリよりもおもしろかったです。
メアリでガッカリした人にも是非観てほしいと思いました。

最後に、私の推しイマジナリは、大谷育江ボイスのロボットちゃんでした。(新しい友達が見つかってよかったね、涙)

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。